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外資コンサルで実感したマルチタスクは絶対にやるべきでない理由~具体的な解決策~

コロナを経てリモートワークが当たり前となって働き方も多様化し、リモートワークも当たり前となった。日々の業務において自由度が増す中で、どれだけ効率的に業務を進めていく点が自由な時間を確保し、より自分にとっての重要な業務、プライベートを実現するににあたって重要である。
中途採用においてマルチタスクを一つの求める力として記載されていることも多い。しかしながら、マルチタスクは人間の脳の構造上、実行することは困難であるため、マルチタスクは絶対に避けるべきという点コンサル時代にどのように複数のタスクをさばいてきたのかをシェアしたい。


マルチタスクによる弊害

複数のタスクを同時に行うマルチタスクは、もともとの人間の脳で対応しきれないということが最近の研究結果で明らかになっている。わかりやすい例でいうと歩きスマホも「歩く」+「スマホ操作」という二つのタスクを行っている為、段差や周りの人に気づかなくなってしまう等の注意力が落ちてしまうということがあげられる。仕事においても複数のタスクを同時並行で行うこともあるだろうが、同時に進めてしまうことで普段はしないようなミスが頻発してしまい、結果として質や納期に影響を与える。

また、最近の研究結果によるとマルチタスクを行うことによって長期的に、脳へダメージを与え、機能が落ち、脳細胞が死滅したりし、うつ病のリスクを増大させ、新しい記憶がつくられにくくなったりと、認知症のような症状を招く可能性が指摘されている。

解決策ステップ① タスク優先順位、スケジューリングを行う

上記のような、デメリットを防ぐために、コンサル時代から今まで実施している内容をシェアしたい。
まず、朝1番で当日行うタスクを洗い出したうえで、各タスクの重要性や緊急性をベースに重要かつ緊急度の高いものから取り掛かるというものである。
最も、このような重要性、緊急性のマトリクスを用いた業務管理というのは、有名ではあるものの、1日のタスクとしてエクセルや紙に洗い出すところまで実施していることは少ないだろう。洗い出したエクセルをベースに重要かつ緊急度の高いものを第一優先、緊急かつ重要でないものは第二、緊急でないが重要なものを第三、緊急でも重要でもないものを第四優先として各タスクの順序を設計する。あくまで上記は、参考までで精緻に行う必要はなく、実際はタスクを一覧化後、上記の考えのもと各タスクに番号を付けている。

ここで注意しておくべき点を2点あげたい。
1点目は、各タスクの順序に関しては、連続での附番とする。(同じタイミングでの複数タスクは行わない)当然ながら、マルチタスクを避けるためのスケジューリングの為、この点は改めて留意したい。連続の附番とすることで、タスクの間や急な頼み事があった場合でも、迷わず元のタスクに戻ることができるのだ。
2点目は、優先度付で認識しておくべき点で緊急でないが、重要度が高いものに関しては、意識的に一つ以上取り組む時間を設ける点だ。この領域はともすると、後回しになるされることも多いが、重要度が高いという点で、自分のキャリアや長期的に重要なタスクであり、ここで差がつくことが多いと感じる。緊急度も高いものはこういった整理をせずともやるものであり、これだけをやっていては、日々の仕事に忙殺されているのと変わらないので、意識的に緊急度が低い重要度が高いタスクを盛り込むことを推奨したい。

解決策ステップ②設計したタスクの順番に基づき100%集中

ステップ①でその日のタスクとタスクの優先順位を決めてしまったら、次は実行段階となる。基本の考え方としては、他のタスクを同一タイミングでは実施せずにシングルタスクに100%集中する。
とてもシンプルであるが、これを実践するのが、難しい状況もある。日々の業務においては、会議がひっきりなしに入れられていたり、チャット、グループチャットでの会話がせわしなく飛び交う等シングルタスクを阻害するようなツールの発展や会議文化がある。

そこで以下2点を実行することでそうしたポイントを回避することができた。
1点目は、可能な限り会議をキャンセル、会議自体のあり方、時間の短縮を図ることだ。最も良いのは会議をキャンセルすることであるが、それが難しい場合は、ECRSといった業務改革の手法を転用し可能な限りE(Eliminate 会議自体のキャンセル、アジェンダの削除)C(Combine 複数の会議をまとめて実施)R(Rearrange アジェンダの見直し等)S(Simplify 目的を簡潔化し、会議自体の論点もシンプルにする)といった方法で効率化の提案することをお勧めする。誰も長くて意味のない会議を望んでないが、慣習で実施している場合も多いと思う。

2点目は、チャットやメールに関してタスクの間に返信時間を組み込むという点だ。つまり返信を一つのタスクとしておくことで他のタスク中に絶対に返信しないようにする。そうすることで、注意が分散せずに質の高いアウトプットを出すことができる。即レスしないとまずいだろうという反論もあるだろうが、ステップ1で適切なチャット返信の間隔を設定するか、急ぎの場合は電話をするといったルールを設定することで大抵の場合は、何とかなる。
そもそも優先順位付けの際に優先度、重要度の高いタスクは組み込まれており、大抵のチャット等での依頼は、タイムリーに変身する必要はない。

まとめ

日々マルチタスクで疲弊してしまっている場合、上記の考えを試してみてほしい。いろいろ改善の余地があると思うので、良いと思った部分だけでもピックアップする形で実践いただく形でもよいかと思う。
大抵の人にとってマルチタスクは悪であるという点は、疑う余地はないので、その点は見直しを図り、日々仕事に追われ疲弊するのではなく、やるべきことを整理して、100%目の前のタスクに取り組むことで、それぞれの人生の重要度の高いタスクに取り組んでいただけると何よりである。

これまで10年間のコンサルや海外でのキャリアで経験した内容を以下の記事やTwitterにも投稿しているので是非見てほしい



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