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六合~折り紙6枚で作る立体(1)


いろいろ作ってしまった

 最近、6枚の用紙を組み合わせて立体を作るのに凝っている(上写真)。勢いでいろいろ作ってしまったので、せっかくだから世に出してみることにする。

正八面体のスケルトン

 上の写真のような折り紙作品を見たことがある方は、かなり多いのではと思う。ロバート・ニール氏の作品で、「オーナメント」という名前がついている。正方形3枚が直交した、シンプルで美しい造形だ。

 この作品は、風船の基本形6つを組み合わせることでできている。ごく簡単な構造だけれど、6つのパーツ同士が互いを押さえ込み合い、一度できてしまうと分解するのが難しいくらいしっかりした構造になる。実に傑作というしかない。

組み上げの途中経過

 このような、上下左右前後の6方向から6つのパーツを組み合わせ、立体を作るタイプの折り紙作品は、昔からいくつも知られている。ケネス・カワムラ氏の斜方立方八面体、デヴィッド・ミッチェル氏の星型菱形十二面体などが代表的と思う。

 日本では前川淳氏という数理折り紙の大家がおり、この方面でもいくつかの作品を発表している。ネット上で見られるものとしては、ねじれ立方体という作品があり、ちょっとひねた形を実にエレガントに組んでいる。

前川淳氏の「ねじれ立方体」

 ユニット折り紙といえば、ポケットに継ぎ手を差し込むことでユニット同士をつないでいくものが大半だが、これらははっきりしたポケットも継ぎ手もないのに、しっかりした立体にまとまる。この点だけでもユニット折り紙としてユニークである。

 これらをいくつか折っているうち、ちょっとしたアレンジでいくつもの多面体が作り出せることに気づいた。そうこうしているうち、結構な数の作品がたまったので、少しずつ発表してみる。

6枚組の斜方切頂立方八面体(筆者作)

 こういうタイプの6枚組作品に、系統的な研究がなされているのか、ジャンルとして名前が何かついているのか、最近の折り紙界にうとい筆者はよく知らない。ここでは勝手に、「六合(りくごう)」と呼ぶことにした。六合という言葉は「宇宙」「世界」を意味し、「天地と東西南北の六方を合わせる」ことからできた言葉らしい。6方向から合わせるという意味でこれらシリーズにぴったりするし、厨二病感もあって大変よろしい。 

 六合構造を持つ作品の特徴はこんな感じである。
(1)ポケットなどがないので折り方がシンプルになり、紙の面積効率が高い作品を作りやすい
(2)紙の重なりが少ないのでシャープな造形になる
(3)組むのは難しく、手が4本くらいほしくなる。ものによってはかなりムキーとなる。
(4)その分、組み上がったときの満足感は高い

 ということで、仕事の合間を見てぼちぼち書いていこうかと思う。

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