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刀剣研磨雑記

さて、自己紹介はまたの機会として刀剣研磨雑記を。

Twitterの方では雑談アカウントと音楽アカウントに分けていて、実は備忘録代わりに研磨日記アカウントを作っているのだが、完全非公開としている。修行なかばの人間があまりアレコレと、軽々しく他人に公開するのは避けたいと考えたからだ。

Facebookの方は、公開を制限しつつも旧友や職人さん達に向けた研磨日記は時々書いてきた。

noteの方では深い話はまたいずれ、有料記事として書きたいと考えている。

現在修行5年目。ようやく仕上げ研ぎのあたりまで入ってきた。きちんと師匠について修行なさっている方々や、意欲的な研師さんに比べるとかなり遅い部類かも知れない。

刀剣研磨の修行は個人差はあれど、およそ10年を目処に独立するのが慣例のようで、修行を始めた頃に先輩研師さんにも「10年はかかるよ」と言われた。しかし、こういった世界は終わりの無い世界で、何10年やっても追求し続けるというのが、良い職人であり続ける秘訣のようだ。

さて、ここ数日は研磨練習用の脇差の仕上げ研ぎ。5年前にネットオークションで3万円程で落札した物で、鋒(きっさき)には大きな朽ち込み錆があったり、刃こぼれや形状の意図的な改変があったり、研いだ所でどうにもならんぞとタカを括っていたのだが、研ぎ進めると意外なことに刃文も地鉄もなかなか見応えがある事がわかってきた。

今日は刀身の鉄の模様や色合いの見え方を調整する「拭い」という作業を施し、その後刃文の見え方を調整する「刃取り」という作業を行った。

納得いくまで数時間やって、見直して気に入らない所をまた修正する。そうした中でまた新たな発見もある。

あっという間に夕方。今度は夕飯の支度である。一旦切り上げてまた後に少し作業を進めるとする。

毎日こういった具合ならどれだけ良いか。刀剣研磨で生計を立てる。それが一番の望みだ。

日々、色々と思い悩む事もある。考えが散らかりすぎて行動が止まる事もある。

しかし結局、「まあ、とにかく刀研ぐしかねぇな」という所に落ち着くのである。

もちろん、世の中それほど甘く無いだろう。研師として独立したら、また新たな悩みや苦しみは発生する。それでも、自分が一生やり続けたい事に出会えた事は迷いなく幸福であると言い切れる。

現状を変えるのは行動しかない。

さて、家事をして再度研磨。



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