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#40 Thad Jones & Mel Lewis Orchestra「All My Yesterday」

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「サドメル」の愛称で親しまれるジャズオーケストラThad Jones & Mel Lewis Orchestraから一枚。

私の最も好きなジャズオーケストラであるThad Jones & Mel Lewis Orchestra(以下 サドメル)。Count Basie楽団等で活躍したトランペット奏者であるThad Jones(April In Parisでのソロはあまりにも有名)とドラマー Mel Lewisが結成したサドメルは"Jazz"Orchestraの完成形といっていいバンドではないかなと思います。

サドメルは当時メジャーでは無かったリハーサルバンド(リハーサルでアレンジ等を練習し出来上がってきたらライブをする)としてスタートしました。今では当たり前のように思われるスタイルですが, 当時はその日集まったところで譜面の確認をしたり長いツアーの中で合わせていくスタイルが一般的でした。リハーサルをしっかり行えることでバンドのアンサンブルも洗練され, Thad Jonesが書く難解なアレンジも形にすることが出来ました。

サドメルの魅力を挙げるとするなら

・ビターなアンサンブル
・エキサイティングなソロ
・愛のあるハーモニー

といった人間性が溶け出してくるようなサウンドが一番に挙げられると思います。

たくさんの人数がいるなかでそれぞれのプレイヤーの個性が出るのが理想的なバンドだと私は考えています。そんなOne For Allだけではないサウンド作りができるところが"Jazz"Orchestraの魅力でもあります。

また, 大編成のバンドにとって「予定調和にどう立ち向かうか」は大きな課題のひとつです。次に何が起こるかわからないドキドキはアドリブを重んじるジャズでは重要な楽しさのひとつですが, あらかじめ演奏する内容(アレンジ)が決まっているビッグバンド編成ではそれを表現することはとても難しいです。Thad Jonesの突拍子もないアレンジから強力にスイングするバンド, 個性的なソリストは決して予定調和を感じさせず, 聞くたびにドキドキとワクワクを感じさせてくれます。

さて, このアルバムは1966年The Village Vanguardで行われたサドメル結成ライブを録音したものになっています。演奏の素晴らしさはもちろんですが, 今では定番とされる楽曲がメンバーそれぞれの自由な解釈とインタープレイで色付けされていることに驚かされます。

ジャズって生ものだよね」ということを強く感じさせるアルバムになっています。がやがやご飯を食べながら聞いてみたいですね!みなさんも自由なスタイルで聞いてみてください♪


Thad Jones & Mel Lewis Orchestra「All My Yesterday」

Disc 1
1. Back Bone
2. All My Yesterdays
3. Big Dipper
4. Mornin' Rverend
5. The Little Pixie
6. Big Dipper (Alternate Take)

Disc 2
1. Low Down
2. Lover Man (Oh Where Can You Be?)
3. Ah, Thats Freedom
4. Don't Ever Leave Me
5. Willow Weep For me
6. Mean What You Say
7. Once Around
8. Polka Dots & Moon Beams
9. Mornin' Reverend
10. All My Yesterdays
11. Back Home

Alto Saxophone, Clarinet, Flute – Jerome Richardson, Jerry Dodgion
Baritone Saxophone – Marv "Doc" Holladay (Disc 1 1~6), Pepper Adams (Disc 2 1~11)
Bass – Richard Davis
Drums – Mel Lewis
Guitar – Sam Herman
Percussion – Sam Herman (Disc 1 1~6)
Piano – Hank Jones
Tenor Saxophone, Clarinet – Eddie Daniels
Tenor Saxophone, Clarinet, Flute – Joe Farrell
Trombone – Bob Brookmeyer (Disc 1 1~6), Cliff Heather, Garnett Brown, Jack Rains, Tom McIntosh
Trumpet – Bill Berry, Danny Stiles (Disc 2 1~11), Jimmy Nottingham, Jimmy Owens, Snooky Young (Disc 1 1~6)
Trumpet, Flugelhorn, Arrange, Conductor – Thad Jones


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