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英語学習について──個人的な経験を中心に

最近恐れ多くも翻訳出版を行なったおかげか、英語の勉強法について聞かれることが増えました。別に英語の勉強が得意だった記憶はないんですが、振り返ってみると言語習得に関してはいろいろ考えてきたかも、と思い、思いつく限りのことを書き下してみました。よければご笑覧ください。

中村の経験のなかで比較的ユニークなところ

  1. 高校生のときに通っていた学校のプログラムで2週間ほどアメリカの高校へホームステイしにいった。その後、ホームステイ先の子たちが日本にやってきて、それをアテンドするということもした。このときたくさん友達ができた。ホームステイのアテンドはほかにも、オーストラリアの子を1名、韓国の子を1名した。これはいわば中村家の伝統で、祖父母も外国からの留学生を複数人アテンドしていたらしい。

  2. 親が海外営業職で、やたら英語で商談しているのが夕食後の普通の風景だった。そういう意味では英語が家の中に比較的多いほうではあったかもしれない(しかし英語で喋るとかは全然なかった。やたらPの発音に厳しい父親ではあったが。)できればこれは、自分の子供にも提供してあげたい環境ではある。なんか親英語喋ってんな、というのが子のハードルを下げると思う。

中村の英語学習にまつわる成功体験

  1. (成功体験1:暗記が役に立ったとき)前述のホームステイに行く2週間前に思い立って、SMAPの香取慎吾のSmaSTATION!!という番組の企画から生まれた『ベラベラブック』という日常会話フレーズ集(150くらい?)をとりあえず丸暗記していった。結局つかわれてないものとかもあったが、咄嗟の一言がでたり、あいづち的なことができたことで、会話が続くようになって非常に役に立った。

    1. 参考:『ベラベラブック』[1]

  2. (成功体験2:単語は作れる)大学生の時やってたプロジェクトを、ホームステイ先の子達のひとりが日本に来たので紹介することがあった。雑に言えば「CAD上で遺伝的アルゴリズムをつかってアルファベットのフォントをつくる」というものだったのだが、当時の英語力では作品のコンセプトを説明することはほぼ不可能だった。それでもなんとかそれを彼女に説明するために、なんか"E"っぽくみえるPCスクリーン上の文字を指差して、"This is the e-ast E, you know." みたいなフレーズを捻り出した。ようするに、形容詞の最上級をつくる語尾変化を応用して、存在しない「e-ast(もっともEらしい)」という形容詞を、その場でつくりだしたというわけ。その時彼女に、"Good English!!"と褒めてもらって、なんか掴んだ気がした。つまり、英語は勉強するものじゃなくて使うものだし、非常に自由で融通が効くものなんだ、というような感覚を得た。

「英語を学ぶこと」を学ぶこと

  1. 大学学部の頃、語学的なセンスが異常に研ぎ澄まされた人間と友達になった。彼は「高校のとき、英語しゃべるために、思考につかう言語を全部英語に切り替えた」と言っており、正直何を言っているのかよくわからなかったが、高校の時の経験から英語を喋る時は英語で考えてるモードにはたしかになるし、それを常時やってたということかなと納得した。彼と知り合ったことで、語学習得に関する視座が上がった。(天才はこうやってるんだな、的な)

  2. 「アメリカ人の英語」、「イギリス人の英語」、あるいはそのほか「ネイティブの英語」を喋ることを目標にしない。あくまで「国際共通語としての英語」を喋るという気持ちでやる。globishという言葉もあるが、べつに英語ネイティブみたいに話さなくていいし、話すつもりもない。具体的には、慣用句の優先順位を下げる。あれらは英語ではなく文化。リソースは有限なわけなので、英語に絡まる文化をなるべく削ぎ落として、ファンクションとしての英語にフォーカスして学習する、というのは有効な戦略だと考えている。(もちろん文化的な言い回しができるに越したことはないし、それは楽しい。言いたいのは、英語を学ぶことと文化を学ぶことは別個のものであり、なおかつ両立可能であるということ。)

    1. 参考:『国際共通語としての英語』[2]

中村の今後の課題

  1. ライティング。文体を作ろう! それなりに英語は読めるのに英作文が極端に苦手なあなたへ を参考に、とりあえず『表現のための実践ロイヤル英文法』を手に入れた。中古安いしオススメ。

    1. 参考:『表現のための実践ロイヤル英文法』[3]

中村が持っている仮説

  1. 下手に海外留学するより、オンライン英会話の方が英語喋れるようになる説。英語で議論すること、あるいは長時間駄弁ることが、経験上一番英会話力を伸ばすとおもう。しかしふつう議論というものは人にふっかけるものではない。友達が減るので気をつけなければならない。その点オンライン英会話は議論にお金を払っているので安心である(?)

おわりに:easy learning!

結局言語は生涯学習そのものというか、なんなら日本語を話すということですら、常に変化し続ける日本語とどう折り合いをつけていくかということだと思います。何語をやるにせよ、学習が死ぬまで終わらないことはすでに決まってるわけですから、気楽に楽しんでやってまいりましょう。

健太郎

参考資料

[0] スマート・イナフ・シティ(共訳)

[1] ベラベラブック

[2] 国際共通語としての英語

[3] 表現のための実践ロイヤル英文法

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