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打とうとしないで打つ #938

おはようございます。

歯医者の時にいつも担当してくれている歯科衛生士さん(女性)にけっこう厳しめにダメ出しをしてもらうんですけど、悪い気持ちはしてない森下です。(#もっとちょうだい)

心理的な駆け引きはスポーツの醍醐味と言いますか、競争を面白くする上では欠かせない要素だと思います。いかに相手を感じて相手の裏をかいていくか。そのプランを考えて組み立てていることがすでに楽しいですよね。というお話です。

<実を作り、虚を突く>

最近武術系のYouTubeを見漁っているのですが、とてもメントレの共通することがあると感じています。

どの達人も共通して言っているのが「虚実」を使うということ。
これはスポーツにおける心理的な駆け引きにおいてもとても重要だと思うんです。

具体的にどういう状態が虚で実なのか空手の達人の先生が言っていた例で言うと、パンチを打とうとして打つのが「実」で、打とうとしないで打つのが「虚」であるということ。

これだけだとなんのこっちゃわからないかと思いますが(僕も完璧に理解した訳ではないので僕なりの解釈ではありますが)、パンチを打とうとすると雰囲気や微妙な体の動きから相手がパンチを打ってくるであろうと予測ができます。

この予測ができる(予測をさせている)パンチが「実」です。実際にそこにあるパンチ。

そして「虚」のパンチは相手に意識をさせないパンチ。打とうとすると相手に読まれてしまうので(実のパンチ)、打つ意識をせずに無意識に打つ。わかりやすく言うと無意識のパンチ。気づいたらもう打ってるみたいな。

そしてこの実と虚を織り交ぜることによって、相手の意識は否が応でも「実」のパンチに行くので、「虚」のパンチには反応ができなくなってしまうということです。

ちなみに分かったふうに書いておりますが武術は未経験であります。(#偉そうに書いているけど)

なんかこう意識をしているだけで伝わる気配のようなものがあるんですよね。ノンバーバルの微妙な変化が違和感を覚えさせるのだと思います。

それと関係してるのかしてないのかわかりませんが、公園のハトの近くをなんの気になしに歩いているときにはハトは逃げないんだけど、「あ、ハトがいる」と思って歩いているとハトって逃げるんですよね。

野生の感なのか意外と頭がいいのかそれともなんとなくなのかは知りませんが、何の気なしに歩いていたらハトも捕まえられるんじゃないかと思います。誰かやってみてください。

<スポーツでどう活かす>

この武術の考え方はスポーツにも活かせるというか共通している部分があります。特に対人競技であれば心理的な駆け引きは必須な訳ですからもうそのまんま応用すればいいですよね。

サッカーとかバスケとかのドリブルで相手を抜く際に、右に抜くと思わせて左に抜いてみたり、シュートに行くと見せかけて抜いたりとフェイントをかけると思います。

フェイントを仕掛ける上でよくありがちなのが、フェイントをしにいってしまうということです。相手から見てフェイントだと分かってしまったらそれはフェイントではないんですよね。

限りなくわかりずらくするためには本当に「右に抜くぞ」と思うこと。そうすれば右に抜くフェイントは「実」になる訳です。

相手が本当に右にくると思うからこそ意識がそこに向き、他の動きには反応できなくなるので、左から抜く動きが「虚」となります。

中途半端なフェイントは「実」にはならないので、その後の動きにも意識が向くので「虚」にならない。両方とも中途半端な「実」の動きになってしまうということです。

フェイントで大事なのは技術ではなくて、演技力の方だったりするわけですね。

<どこに意識があるか>

さっきのフェイントの例で言えば、理想は「気づいたら抜かれてた」と相手が感じる状態です。完全に裏をかかれて意識も追いついていないという感じです。

そう相手に感じさせるためには、相手に対して「どこに集中を引きつけたいのか」をまずは明確にするところからです。

相手に右側に意識を向けさせたいのあれば、体の向きや目線、動き、時には仲間の位置なんかもうまく駆け引きに使えるかもしれません。

どうすれば相手の注意を惹きつけられるかは実戦で練習を積んでいきましょう。ちなみにマジシャンとかの動きなんかは結構参考になったりします。彼らは集中力のプロフェッショナルですからね。

スポーツではないけどウィルスミスが出てる「FOCUS」っていう映画は面白いかも。詐欺師の映画です。

相手の集中を引きつける術さえ身につければ、スピードや技術がそこまでなかったとしても相手は追いつけないんです。速くないのに止めれない状態。

練習の時からどうすれば相手の「虚」をつけるかを意識するのは大切だと思います。そのためにどう「実」を作っていくのか。対人競技の1番の面白い駆け引きの部分だと思います。

<まとめ>

①「虚実」を使って心理的駆け引きをしていきましょう。プレーの中に虚と実を織り交ぜることで相手の集中を逸らしていく。

②フェイントで大事なのは技術ではなくて演技力。中途半端なフェイントは「実」にはならず、その後の動きも「虚」にならない。

③練習の時からどうすれば相手の「虚」をつけるか、そのためにどう「実」を作るのかを意識していくこと。

ほんと武術や武士道から学ぶことって多いと思います。「小よく大を制す」「柔よく剛を制す」という言葉がありますが、まさに心理的な駆け引きをうまく使えるとそうなるということですよね。

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株式会社メンタリスタマネージャー
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森下健(もりしたけん)
1986/10/31 埼玉県三郷市出身。
学生時代は水泳に没頭。専門種目はバタフライ。現在はトライアスロンにハマっている。青春真っ只中。
奥様と息子(4歳)と娘(0歳)の4人家族。横浜在住。
メンタルトレーニングの情報を中心に書きたいと思います。

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