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ネギ塩チャーシュー

例年実家で年越しをする俺は、今年は寮の部屋で1人年越しすることになった。

たった一人でご馳走を作って食べても虚しいだけなので、大晦日の夕飯は前日に食べたうどんの残りを茹でて釜玉うどんを作り、あっさりと済ませた。

冬休みに入ってから外食がいきなり増えたので、大晦日の夕飯は調整のために軽めにした。

それに明日からはちょっとした楽しみがある。

首都圏内にいる三姉弟で集まってご馳走を食べることになったのだ。

俺は横浜名物の崎陽軒のシウマイを買っていくことにしたが、それだけでは物足りないので、もう一品作って持っていくことにした。

しかし大晦日の都心部のスーパーってのは結構繁盛しているらしく、夜に材料を買いに行ったら精肉コーナーが殆ど空っ穴になっていて驚いた。

別のスーパーに足を伸ばしても結果は同じだった。俺は軽く絶望した。

幸い俺の近所には肉屋さんがあったので、ちょっと値が張ったもののお目当ての豚バラ肉のブロックを手に入れることができた。

帰宅したら、寮の共同キッチンに豚バラと調味料とフライパンを持っていき、フライパンを火にかける。

豚バラは全面こんがりと焼き色がつくまで中火で焼く。

良い感じに焼き色がついたら、はちみつを大匙1、醤油・酒・みりんを大匙1~2くらい入れ、タレを作って肉に絡めながら焼く。

味のアクセントにニンニクチューブも入れる。八角なんかがあるともっと風味が豊かになるだろうが、まぁそこまで手の込んだことはしない。

たれがトロリとしてきたら、肉と共にラップで二重に包み、耐熱袋に入れる。

ケトルでお湯を沸かし、炊飯器の底に耐熱皿を敷いて先程の耐熱袋を載せ、上からお湯を注ぐ。

炊飯器の蓋を閉めて保温ボタンを押して1時間放置。

1時間経ったら炊飯器の電源を切って、一晩放置。

翌日。年明けを寮の部屋で一人で迎えたら、眠い目をこすりながら炊飯器から耐熱袋を取り出し、タッパーに移す。

保冷剤とタッパーの入ったアルミバッグを携えて、電車に乗った。

夜勤明けの姉と、初日の出の写真を撮りに行った弟と、駅で合流した。

それにしてもわざわざ冬休みに早起きして、寒空の下日の出を待つなんて殊勝な奴だ。俺にゃ真似できない。

料理の材料とお惣菜の買い出しを終えて姉の家に着いたら、タッパーから耐熱袋を取り出し、中の肉を薄切りにする。

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豚バラチャーシューだ。断面が薄いピンク色になっていて、我ながら素晴らしい出来だと思った。

端っこの方を味見すると、柔らかくて味もしっかりついていた。

この間は先に豚肉に火を通すために下茹でしてから表面を焼いて味付けしたのだが、肉が硬くパサパサになってしまって、あまり美味くなかった。

今回はその反省をちゃんと生かすことができた。やっぱり湯煎でじっくりと温めるのが上手に作るコツらしい。また一つ勉強になった。

このまま食べても良いのだが、もう一捻りアレンジがほしい。

俺は雑煮用のネギを少し失敬して、斜め切りにした。

水にネギを30分晒し、ネギのエグみを抜いたら、ごま油・塩・黒コショウで和えてチャーシューに乗っける。

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ネギ塩チャーシューの完成だ。この間行った町中華で食べた味が忘れられず、試しに作ってみたが、大成功だった。

姉は煮しめを作った。この煮しめが実家で食べたばあちゃんの味とほとんど同じだったので、姉弟三人揃って感動した。

また、姉は今日のために寿司を取っていた。俺達三姉弟は全員食い意地が張っているので、6人前注文したという。

昨日の紅白をBGMに流し、寿司と料理とお惣菜をテーブルに並べると、とんでもないことになった。

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箸を持ったら、あとはもうノンストップで食べるだけだった。俺の姉弟は俺も含め全員卑しんぼなので、ゆっくりと食事を嗜むということがあまりない。

用意した料理は1時間であらかた平らげた。6人前あった寿司もキレイさっぱりなくなった。

姉と弟は酒を飲んでいたので、もう既に眠そうだった。特に姉は夜勤明けで、今までずっと起きていたので、布団を敷いて完全に寝る気満々だった。

俺は泊まりの荷物を取りに行くのと、今日の記事を書くために一旦寮の部屋に戻った。

明日は従妹が合流する予定だ。親戚一同で集まることはできないが、こういう年明けも悪くないかもしれない。

さて、洗濯物を取り込んで、一風呂浴びたら、また姉の家に戻るか。今夜も長い夜になりそうだ。

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