ストップモーションと人形について
ストップモーションアニメーターの篠原健太です。
昔はNetflix「リラックマとカオルさん」のようなコンテンツ制作やゼスプリキウイのTVcmなどの制作に携わっていました。
今はオモチャでストップモーションを作って遊んでいます。#働け
先週はマイングクラフトのスティーブとマリオでストップモーションを作りました。
ねとらぼの記事にもなりました。
こちら
スティーブが大乱闘スマッシュブラザーズに参戦したということでやってみました。ホットなニュースに乗るのもけっこう面白いですね。
作り始める前のイメージで、スティーブの堅い動きとマリオの自然な動きがひとつの画面で一緒に動いたら面白いだろうなぁと思いました。毎回必ず、「なんか面白そうだなぁ」とか「あれやったことないからやってみよう」というポジティブなイメージが浮かんでから撮影をはじめます。
撮影に入る前には必ず人形を触り、関節の硬さやどれくらい動くのかをチェックします。アニメートするときに、その人形がいちばん魅力的に写るようにしたいわけですから、人形のことを知り尽くさなくてはいけません。
人形を知るときの気持ちとしては、なるべく穏やかにといいますか、優しくありたいわけです。
プロとしてアニメーターをやっていると、さまざまな事情や無理難題が降りかかり、気持ちが業務に持っていかれます。
「やらなければならない演技があるのに、この人形では上手く演技ができない。どうしろというんだ。バカたれ」
「人形が間に合わないから、ぶつけ本番でアニメートしろ?アホか」
こんな言葉が浮かんできたら気持ちを切り替えなくてはいけません。#お前だけだろ
なるべく穏やかに人形と向き合って、「へぇ、君はそういう子なんだ」という軽い気持ちで戯れます。
子どもの頃のオモチャ遊びの気分です。
これはアニメート中も同じで、自分が決めていた動きをやろうとしたのに、なかなか上手くポーズがつくれない場合があります。その場合は人形が自然に動きやすい方向や、より良く写る方向に動きを変えていきます。
「へぇ、君はそうしたいのかい」という気持ちです。
人形主体で進めていく方が、もともと自分が決めていたことよりも何倍も良い演技になることがほとんどです。その人形のキャラクター性を決定づける演技が生まれることもあります。
おそらく、アニメーターの考えていることは意外と偏っていたりするのかもしれません。思い込みや観念、勉強不足もあります。
アクションフィギュアはストップモーションのために作られた人形ではないので、なおさら僕の思い通りにはいきません。もっと人形と向き合わねばと思わされます。
もちろん、お客さんに伝わらなければ意味がないので、なんでも当てはまるというわけではありません。客観的に見た上でいちばん良い方向には決めることが大事です。
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