アイドルの記憶容量の付加価値とブロックチェーンテクノロジー
仕事がら、新しい事業やスマホアプリのご相談を頂くことが多々あるのですが、その中の一つに”アイドル”に関するものがありました。また、アイドルの中でもよりアングラないわゆる”地下アイドル”と言われる方々に関連するサービス検討をしていたのですがどうにもイメージが沸かないということで行ってみました。
仮面女子と言われるグループのメンバーの子の生誕祭だったのですが、結論としては「とても楽しかった」という感想です。ですが、なぜ彼女たちのような形でのアイドルが現在人気を誇り、生存し続けているのかを考察してみました。
僕なりの仮説としては、ファンはアイドルの女の子たちの「HD=記憶容量」の奪い合いをしているのではないか、と考えました。
そのヒントとなったのが、このチェキを撮った時です。(おっさんが楽しそうにしてますね。)
そもそもこの日の流れとしては、舞台上で踊ったり小芝居をしたりするのを見た後に、みんなで歌を歌った(TO=トップオタの掛け声に合わせてみんなで何か言ったり踊ったり)後にチェキを撮る時間がありました。一回1,000〜2,000円くらいするのですがそれでも長蛇の列ができています。で、僕も何事も経験ということで並んで撮ってもらいました。左のチェキがこの日誕生日だったメンバーの子のやつで、この時は流れ作業的で特に何も感じなかったのですが、右の子(とても人気のある神谷えりなさんという方)とのマンツーの時にピンと来ました。
壇上でチェキを撮るのですが、その前の数分間に会話をする時間があるのですが、その時彼女が一言「はじめてやんなぁ?」と言いました。その刹那、ドキっとしたのと同時に、なるほどなぁと思いました。
この子、全てを覚えているのか
マズローも言っていますが、人間は社会的な生活が安定してくると承認を求めるようになります。FacebookなどのSNSの人気の背景によく承認欲求という言葉が使われますが、今回の件はさらにもう一個上に行った概念なのかなと。舞台上で楽しげにキラキラと踊り歌うアイドルと言われる人種の女の子に、承認され、さらに記憶(HD)に留めておいてもらうという事に価値があるのでは無いかと考えました。
そういう仮説を立てるとなぜがむしゃらに頑張っているアイドルの子に人気が集まるのかも説明できる気がします。彼氏がいたりアイドル以外の活動に大きな時間を割いてしまっている女の子だと、アイドルとしてのHD(記憶容量)が圧迫されてしまうので容量が少ない、故にファンの絶対数も少なくなる。昨今、頭が良さそうな女の子に人気が集まるのも何となくここに理由の一つがあるのかなと。
一方で、この”HD(記憶容量)”という限りがあるからこそ、その価値が高まるのかなとも思います。そもそも人間が価値を感じるものに、”金(きん)”や”ダイヤモンド”や”貨幣”とありますが、これら全て限りがあります。(金やダイヤモンドはもちろん、貨幣も政府が発行してその量を調整しています。)
と、なった場合にアイドルの子たちは本当に大変なんだろうなと思いました。キャバクラ嬢なども同じような課題を抱えているとは思いますが、とにかくファン(やお客さん)の特徴量をつぶさに抽出して、記憶に留めないといけないと。そうなるとやはり記憶容量にも限りが出てきて(限りがあるから価値があるのですが)スケールしにくい事業だなと。そうなった時にちょうど読んでいた本がこちらでした。
参照:amazon
ブロックチェーンテクノロジーです。
ブロックチェーンというのはビットコインの裏側の基本技術とされているのですが、今回の説明のためにかいつまんだ特徴を言うと、中央集権ではなく分散型のネットワークで履歴が誰にでも閲覧できるために第三者が信用を創造することができ、採掘量にも限りを持たすことができるので価値が崩れない(詳しくはこちらや上記の書籍をご参照下さい。)というものです。
この技術とアイドルをくっつけてしまえば、スケールコントロールしやすいビジネスにできてしまうのではないかなと思いました。
不安定な記憶容量ではなく、採掘量に限りのあるブロックチェーントークンを使って信用創造して、ファンの人達はこれを採掘し合う、みたいな。問題は、ブロックチェーンで作られた何かにファンの人達が価値を感じてくれるかどうかだと思うのですが、それはまた別の問題です。
なんてことを考えていたら、どうやらブロックチェーンとアイドルを絡めたテレビ番組が始まるようです。
参考:テックビューロが経済エンタメ系テレビ番組『ビットガールズ(仮)』にブロックチェーン技術を提供!10月から放送開始
一人一票、というものの信憑性を高めるために「トレカブ」と言われる仮想通貨トークンを発行して取引をしてもらう感じみたいです。ブロックチェーンの第三者信用創造とアイドルが融合した取り組みのようですね。どんな結果になるかとても楽しみです。
2014年にマウントゴックスが経営破綻して以来、ビットコインのイメージは悪く中々普及しない状況でしたが、別のアプローチでブロックチェーンは徐々に生活の中に入り込んできています。アイドルと融合したブロックチェーンもいつしか実現していくんだろうなと思います。そして、またなんやかんや理由を付けて地下アイドルに会いに行きたいと思います。
このように、最新の技術と世の中のニーズをどうやって合致させてテクノロジーの波をどう乗りこなすかを考え続けるガラパゴスですので、ご興味ある方はご連絡下さい!
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