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【自己紹介】はじめてのnote

はじめまして、堤田健太(つつみだ けんた)と申します。
 
もともとは地方公務員でしたが、民間主導でまちづくりを推進するため、今は起業を目指しています。
 
今回が初めてのnote投稿ということで、簡単に自己紹介をさせていただきます。


これまでの経歴

もともとは愛知県愛西市出身で、2010年の南知多町役場への就職をきっかけに南知多町に移住し、現在も暮らしています。南知多町役場では、土木、建築、交通・防犯、空き家対策を担当していました。
 
そもそも、なぜ公務員を目指したのかというと、「地方の衰退は行政のせいだ」というマスコミの声に疑問と同時に興味が湧き、実際に自分で働いて確かめてみたいという想いがありました。そのため、役場の業務では、与えられた仕事だけでなく、「どうしたらまちを変えられるのか」「自分には何ができるのか」と答えのない問いを考え続けながら、試行錯誤を繰り返す日々を過ごしておりました。
 
そんな中、2017年より空き家対策担当に配属されてから、いきなり大きな問題に直面しました。
 
「空き家対策を推進したくてもお金がない…」
 
南知多町は1961年に誕生してから現在にいたるまで人口が減少しており、空き家率が21.6%(2018年住宅土地統計調査より)と愛知県内で最も多いまちになっていました。空き家がなぜ増加しているかというと、建物を使う人がいなくなったから。つまり、住む人がいないし、不動産として活用するニーズがないということです。これが何を意味するのかというと、人口が減って、不動産価値も減少するということなので、町の財源である住民税と固定資産税が減少するということです。
 
そのため、町の財源が年々乏しくなり、財政状況が悪化する中で、増え続ける空き家に対応しなくてはなりません。さらに、老朽化した空き家が町内で倒壊する事故が多発し、緊急で対応しなくてはならないのに、空き家の所有者が経済的に困窮していることが多く、自身で解決できない状況でした。
 
現在、「空家等対策の推進に関する特別措置法」によって、行政が所有者に代わって空き家を解体して撤去する「代執行」が定められていますが、あくまで代わりに対応するだけなので、解体・撤去にかかった費用は全て所有者に支払ってもらわないといけません。つまり、経済的に困窮している人からお金を取り立てなければなりませんが、そもそもお金がないから所有者は解体することができないので、費用を回収することはできないのです。中には廃業した旅館やホテルのような解体費に数億円かかるような大型物件もあります。これでは対応すればするほど行政の財源が枯渇し、費用回収をしたくても所有者が支払えない以上、行政は泣き寝入りするしかありません。
 
そして、そもそも「なぜ南知多町に人が住まなくなったのか?」という根本的な問題が解決されないまま、財政状況の悪化とともに老朽化した空き家がどんどん増えていく。まさに『無理ゲー』の世界です。
 
そんな中、解決策を模索する中でたどり着いたのが、民間事業者との連携でした。
 
2019年にヤマト運輸より南知多町へ連携事業の提案があり、翌2020年に「空き家の見守り社会実験」を実施することになりました。これは、ヤマト運輸の物流網を活用して、配達に合わせ、配達員が空き家を確認して所有者に報告するというものです。結果として事業化には至りませんでしたが、利用者からの評価は高く、民間事業者との連携の可能性を感じることができました。
 
行政(官)と民間事業者(民)が新しい解決策や価値を共に創ることを目指す。私はこれを「官民共創」と名づけました。
 
官民共創は今までの事務のやり方とはまったく異なり、役場内に前例もありません。そのため、まずは業務として認めてもらうところから始めなければなりません。そのため、試行錯誤しながら、ヤマト運輸との実証実験から始め、愛知県が実施するスタートアップ推進事業にも参画して、様々な企業と連携を模索するなど、少しずつ実績をつくっていきました。その結果、町長を始めとする幹部に実績を認めてもらえ、2021年には官民共創を正式な業務として所管する「まちづくり推進室」を設置してもらうことができました。一担当者の提案によって、組織を変えることができたという経験は、私にとって大きな自信につながりました。
 
その後は、官民共創を推進するため、通常業務としての空き家対策に加え、民間事業者と議論をしながら様々な連携事業を形にしていくなど、大変ながらも充実した日々を過ごしておりました。しかし、熱心に取り組むあまり、体調管理を疎かにしてしまい、気付かないうちに徐々に身体が蝕まれていきました。
 
2023年に入ってからは、まちづくり推進室は「成長戦略室」に名前を変え、ふるさと納税も所管するなど、様々な業務にチャレンジする部署になっていきました。この辺りから、徐々に体調に異変が生じて、睡眠障害や摂食障害が始まり、気づけば体重も落ちていました。
 
家族や職場にも心配され、流石にまずいと思い病院を受診したところ、適応障害からくるうつ状態と診断されました。その後、休職したものの、症状はさらに悪化してうつ病となり、最終的には2023年9月末をもって退職することになりました。

起業に向けて

南知多町役場を退職した後は、ずっと暗闇の中にいるようでした。一日中家の中に引きこもり、今まで買いためた本を読もうとしても文字を目で追えず、話を理解できないため、楽しくありません。それではと、映画でも見ようとすると、ストーリーが頭に入らずこれも楽しくありません。寝ようにも睡眠障害で睡眠薬を飲まないと寝られないため、ただただボーッと時間をやり過ごす無気力な生活が続きました。
 
精神科に通院しながら継続的なカウンセリングを受け、「うつ病になると今までできたことができなくなるのは仕方がないことです。日にち薬だと思ってゆっくりしてください」と励ましてくれた担当医の言葉は、自暴自棄になりそうな中での心の支えになりました。先生、本当にありがとうございました。
 
退職から3ヶ月が経ち、新年を迎えたところ、自分の中で新たな想いが芽生えてきました。
 
「まちづくりは民間でもできるのではないか?」
 
官民共創の取り組みから、行政のみのまちづくりに限界を感じておリ、また、地域で主体的に動く民間事業者の必要性を常に感じてしました。しかし、スーパーマンのように、誰かが勝手に助けてくれることは残念ながらありません。
 
「だったら、自分でやるしかないな…」
 
そう想うことで、徐々に活力がみなぎってくることを感じ、徐々に前向きに考えられるようになりました。
 
では、どうやって、民間事業者としてまちづくりに関わるかと考えた時に思い出したのが、木下斉さんの『地元がヤバい…と思ったら読む凡人のための地域再生入門』でした。本棚から本を取り出し、フラフラしてうまく読めないながらも、少しずつ読み進め、自分の中で起業したいという思いが少しずつ大きくなっていきました。

しかし、公務員しか勤めておらず、いくら官民共創で民間事業者と関わっていても、どのようにビジネスを始めればいいかわかりません。さらに、まちづくりで飯を食べる会社となると見当もつきません。
 
そこで、木下さんが主催する『都市経営プロフェッショナルスクール』の『公民連携事業課程』を受講することにしました。

本課程は、都市の経営課題を公民連携事業で解決する人材の育成を目的としたプロフェッショナル・プログラムです。主に、行政組織の幹部職員、現場職員、地方議会議員とそれらを目指す方々に向けて設計を行っています。また、パブリックマインドを持ち、自主自立するまちづくり事業を行う民間分野の方々や、PPPエージェントを目指している方にもフィットするよう設計しております。

都市経営プロフェッショナルスクールHPより引用
https://www.ppp-ps.net/program#course-freemen

まさに、自分にうってつけのスクールだと思いました。そのため、1次募集に応募し、無事受講することができました。
 
その後も、体調は一進一退を繰り返し、不安定な状態です。
ただ、民間事業者としてまちづくりに関わるという新しい目標ができましたので、厳しいことで評判の都市経営プロフェッショナルスクールの講義に何とか食らいついて学び、現在起業を目指しています。

今後の発信内容

今後は、私自身の起業に向けて日々考えていること、書籍などで学んだこと、都市経営プロフェッショナルスクールで学んだことなどを中心に発信していきます。

自分の頭で考えたことを、ちゃんと文章に整理して見える形にしないと、自分の理解も進みませんし、誰かに理解してもらうこともできません。また、日々変わりゆく自分自身の記録も、将来必要になってくると思います。
 
「知行合一」という言葉がありますが、知ることと実行することは本来分けることのできないものです。「身につける」という言葉も、体で覚えるという意味が含まれており、頭で考えるだけではだめということになります。つまり、実践・行動によって体を動かさないと知識は正しく身につかないのだと思います。そのため、日々訓練だと思って、考えを文章にまとめながら、発信を続けていきます。

最後に

私の小さな挑戦の記録が、自分のまちのために日々努力している民間事業者の方や公務員の方たちの参考になれば幸いです。お互い頑張っていきましょう!


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