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これから臨地実習を受ける学生さんへ

私が勤務している病院に来週から学生が臨地実習に来ます。
今回はこれから臨地実習についてお話ししたいと思います。

実習の内容について

臨地実習では一般、生化学・免疫、輸血、血液、細菌、生理、病理を1〜2週間ずつ回っていきます。
午前中は忙しいので、学生はほとんど相手にしてもらえません。
色々教えてもらえるのは午後の空いた時間なことが多いです。

各項目の詳しい内容

一般検査
・患者さんの尿検体で沈渣標本を作成して、顕微鏡で観察(どういう沈渣成分があるか)
→定性検査より尿沈渣について勉強しておくと良い

生化学・免疫検査
・異常値が出る原因を考える(本当に異常値かどうか見極める)
・抗凝固剤の種類と用途や採血の順番は復習しておくと良い
・血清・血漿について、変動要因(溶血やクレンチングなど)
・分析装置のメンテ、試薬交換など

輸血検査
・患者さんの検体を用いて血液型検査と不規則抗体スクリーニング、交差適合試験
・ABO、Rh血液型と血液製剤について復習しておくと良い

血液検査
・血液塗抹標本の観察
・抗凝固剤(血液との比率)、偽性血小板減少について
・血球数算定の計算版、各血球の基準値

細菌検査
・グラム染色、抗酸菌染色(手順と原理を復習しておこう)
・検査材料毎の培地の選択
・血液培養について

生理検査
・患者さんの心電図、ABIを検査した
→心電図とABIは特に復習しておくと良い
・エコーはプローブ、走査法、基本的な断面図(どこに何があるか)を復習しておくと良い
・患者さんと関わるので接遇には気をつけよう

病理検査
・HE染色、AZAN染色、鍍銀染色、PAS染色、グロコット染色、ビクトリア青染色、コンゴー赤染色、アルシアン青染色、マッソン・フォンタナ染色などは染めたり、標本の観察をした。
→各染色の染色意義・原理や染色結果(何色に染まるかなど)を復習しておこう
・薄切の練習
・実習前と実習後は病理医の先生に挨拶に行こう(何よりも大事!)
・細胞診、免疫染色より組織診と解剖について復習しておくと良い

※各病院や技師さんによって、やることや質問されることは当然異なるので過去に行かれた先輩に聞いて、リサーチしておくと良いでしょう!

※検体検査では患者さんの検体を扱う機会が多いので、自分が感染しないように扱いには気をつけましょう!(手袋、マスクの着用は必須!)

実習態度や心構えについて

実習態度や心構えについてはこちらの記事も合わせてご覧になってください!

この記事でも「積極的に聞く」ことが大切と述べられていますが、
この場合の積極性は

・分からないことは必ず聞く、相談する
・「これがやりたいです!」「分かります・分かりません」などと意思表示する
・「何か出来ることありませんか?」と聞く
・席を外すときは誰かに伝える
・失敗・トラブルは指導技師に報告する

ことだと思います。

現場の技師さんは勝手に行動されるのが1番困ります。(余計な仕事が増えます笑)
積極性の意味を履き違えないようにしましょう。(学生時代の自分に言いたい笑)

正直、技師さんの質問に答えられなくても大丈夫です。
大事なことは家に帰ってから調べることです。
技師さんは質問に答えられるかより、答えられなかったことを調べてくるかを重視していると思います。

勉強に関しても予習より復習(記録ノート)を重視して、実習中に教えてもらったことを忘れないにしましょう。
臨地実習は結構同じ質問をされることが多いので、しっかり答えられるように復習しておきましょう。

一番大事なことは体調を整えることかなと思います。
実習時間中に寝ることは勿論許されませんし、休んでしまうと貴重な経験が出来なくなりますので、疲れたときは早めに休みましょう。
とにかく毎日元気な姿で実習先に行きましょう!

臨地実習先と就職先の関係について

インスタグラムで質問を頂きました。

臨地実習でいい評価をもらった、気に入ってもらえたからといって、そこに就職出来るかは別問題ですが、どういう人かというのは分かってもらえてるのは有利かなとは思います。
むしろ、臨地実習は「病院で働きたい!」「検査センターで働きたい!」「企業で働きたい!」という就職活動の大まかな指針を立てるのには大きな役割を果たしていると思います。

最後に

慣れない環境で、気を遣いながらの実習になりますが、学校の講義や実習より何倍も知識が身につきます!笑
臨地実習は残りの学生生活を有意義なものにするためのターニングポイントだと思います。
しっかり勉強してきて下さい!!

ご質問はこちらまで!

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