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ハッシュタグとしての「総合型地域スポーツクラブ」

 総合型地域スポーツクラブ研究所、所長の上杉健太(@kenta_u2)です。総合型地域スポーツクラブのマネジメントやアドバイザー、講演・執筆、エンジョイスポーツコーチなどをしています。

 今回は、『ハッシュタグとしての総合型地域スポーツクラブ』というテーマでお話したいと思います。

 なぜ私が「総合型地域スポーツクラブ」という長ったらしくて、面白くもない名前を連呼するのか、その答えです。

前は『総合型地域スポーツクラブ』なんてどうでもいいと思っていた

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 実は私が7年前に総合型地域スポーツクラブのマネジャーとなった時は、むしろ総合型地域スポーツクラブという名前はどうでもいいと思っていました。正直に告白すると、「総合型地域スポーツクラブを盛り上げよう」という関係者の声を聞く度に、「大事なのは地域でのそれぞれのクラブの価値であって、全体としての総合型地域スポーツクラブなんてどうでもいい」と思っていましたし、実際に言っていました。

 実際に私は『総合型地域スポーツクラブ』という名前を消したことがあります。
 私が総合型地域スポーツクラブのキャリアをスタートさせた長野県喬木村では、総合型地域スポーツクラブにつけられた名前は、『喬木村総合型地域スポーツクラブ』でした。
 もう長いし、子どもには読めない場合もあるし、こんな名前には1ミリもメリットがないと思って、『たかぎスポーツクラブ』に変更したんですね。

 この変更は、地元住民をターゲットと考えた場合には正解だったと思います。

地元の人にとってはやはりどうでもいい

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 『総合型地域スポーツクラブ』という名前が地元の人には意味がないというのは、今でも真実だと思っています。総合型地域スポーツクラブが活動するそれぞれの地域の人からしたら、そのクラブが総合型地域スポーツクラブであるかどうかはほとんど関係なく、例えば喬木村の場合、たかぎスポーツクラブはたかぎスポーツクラブであって、それが総合型地域スポーツクラブという種類かどうかはほとんど関係ない。そこが気になる人はよほどのコアなファンだけで、会員の1%くらいしかいないでしょう。だから、地元の人のことを考えると、「総合型地域スポーツクラブ」という名前を使う意味はほとんどないと今でも思っています。

 さらに、これはよく言うことでもありますが、総合型地域スポーツクラブという体裁を整えることについても、あまり意味はないと思っています。地域住民に多くの選択肢を提示できるという点では効果がありますが、それだけで言えば、それは1つのクラブでやらなくても別にいいわけですから。地域住民にとっては、Aクラブに2種目あることも、AクラブとBクラブで合わせて2種目あることも、あまり変わりませんから。

 大事なのはその中身の設計であって、”総合型地域スポーツクラブである”という見た目ではありません。なので、地元住民からすれば、中身さえ魅力的であればよくて、『総合型地域スポーツクラブ』という見た目はほとんどどうでもいいんですよね。

きっかけは師匠との会話

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 私の考えがガラっと変わったのは、師匠と勝手に思っているクラブマネジャーのかたとの会話でした。その時、とあるコミュニティの事例が総合型地域スポーツクラブの参考になるのではないかという話を聞きました。その時にふと思ったんです。

「そうか。総合型地域スポーツクラブのノウハウを発信しても、『総合型地域スポーツクラブ』というハッシュタグを付けていなければ、他の困っている総合型地域スポーツクラブのマネジャーに見つけてもらえないのか」

と。

 例えばいくら『たかぎスポーツクラブ』が成功して、そのノウハウを発信しようとも、それが総合型地域スポーツクラブだと認知されなければ、世間の総合型地域スポーツクラブ関係者には見つけてもらえない。そうなってしまうと、総合型地域スポーツクラブの運営のノウハウは、そのクラブから外に出ることがなくなってしまう。勿体ない!!

 これが私が、「『総合型地域スポーツクラブ』と言っていこう!」と思うようになったきっかけです。

総合型地域スポーツクラブそれ自体に興味が出てきた

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 これは言い換えると、喬木村という地域の為のコンテンツとしての総合型地域スポーツクラブから、総合型地域スポーツクラブというクラブの思想・形態そのものに興味が出てきたということでもあると思います。

 当初はまずは喬木村でクラブを盛り上げないと仕方がないと思っていたので、総合型地域スポーツクラブ全体のことはどうでもよかった。というよりも、それどころではなかった。それが段々とクラブが成長し、それなりのポジションを築き上げると、そのノウハウをもっと広い範囲で活かしたいと思うようになったということなのかもしれません。

 これは東京から長野に移住してキャリアをスタートさせた私だからこその思考かもしれませんね。確かに喬木村に移住した当初から、モデルを作り上げてそれを全国に展開したいとか言っていました。だからこそ今、埼玉県富士見市での立ち上げにチャレンジしようとしています。そのノウハウを持って、今度はゼロから立ち上げてみたい。そう思う段階になったんです。あらゆる地域に通用する総合型地域スポーツクラブを追求したい。たぶん今の私はそう思っています。このマガジンの『研究所』というネーミングは、今の私には結構しっくり来てるんです。


というわけでこれからも私は「総合型地域スポーツクラブ」と言い続けると思います。たぶん現状で既に、日本一たくさん「総合型地域スポーツクラブ」と言っている人なのではないでしょうか(笑)
そして富士見市での立ち上げに成功し、またクラブを成長させられれば、2つの総合型地域スポーツクラブを作り上げたという、この業界では少し珍しいキャリアを手にすることになると思います。それができれば、日本ランクは大幅に上げることができるでしょう!目指せ日本一!(現在500位 ※総合型地域スポーツクラブ研究所調べ)

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5