スポーツマンシップって何?

 さすがにポーンとキングだけでは息子に勝てない。

 どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。

 今日はぼんやりと昔話でもしたいなと思います。テーマとしては、『スポーツマンシップって何?』という感じでしょうか。

-----

 実は私はスポーツが大好きなのですが、そんな私が一度、「スポーツマンらしくない!」と怒られたことがあって、その時結構なショックを受けたんですね。

 忘れもしない高校時代のことです。

(※20年前!!)

 それは体育の授業でテニスをしていた時のことでした。テニス部でも強い方だった私は、たぶん授業中にブイブイ言わせていたはずなのですが、そのあたりの記憶は一切ありません。

 覚えているのは、授業の中でミックスダブルスの大会をしたこと。男子と女子でペアを作り、トーナメント形式だか総当たり形式だかで、優勝を争いました。

 私のペアの子は確か躰道部の子で、テニスは初心者。

(※躰道は、アクロバティックな武道というイメージ)

 体育の中のテニスとはいえ、ペアが初心者とはいえ、私は負けるのが凄い嫌いな人なので、たぶん自分の力で試合を勝たせていったと記憶しています。

 そして大会は進み、優勝をかけた試合になりました。トーナメントの決勝なのか、全勝同士の最終戦なのか、そんな感じの試合です。

 相手はテニス部ペア。負けたくない私は、たぶんあまり手加減をせずにやったのでしょう。そしてたぶん勝ったのだと思います。その時、相手のペアの女子に言われた言葉に私は大きなショックを受けるのです。

「スポーツマンらしくない!」

 本意は言った本人にしか分からないのですが、恐らく手加減をせずに勝ったことに対して言った言葉なのだと思います。

 それまで、スポーツマンのど真ん中にいると思っていた私は、この言葉に本当にショックを受けました。あ、傷ついたとかそういうことではありません。驚いたという感じのショックです。まさか自分がそんなことを言われるとは、1ミリも考えたことがなかったから。

 そしてこの言葉は今でも私をたまに悩ませてくれます。

スポーツマンシップって何だろう。

 あの時、私にショックを与えた彼女は、私が手加減をしなかったことに対して言いました。

(※たぶん)

 でも少なくとも、当時の私は手加減をすることがスポーツマンシップだとは思っていなかったと思います。むしろ、手加減をしないことこそ、スポーツマンシップだと思っていたのではないかなと思います。

 そう考えると、スポーツマンシップという言葉は、だいぶ振れ幅の大きな言葉で、人によってだいぶ解釈が違うことになりますね。

 でも、それもそのはず。今の私にはよく分かります。その振れ幅こそが、スポーツの多様性であり、多面性であり、許容範囲の広さを表しているんですよね。

-----

 高校時代の私にとってスポーツは、競技以外の何物でもありませんでした。全ては勝利の為にありました。

「やる気がないならやめろ!」

そんなセリフを何回か言った記憶があり、実際に私のせいで何人かテニス部を去ったと思います。私はそんな狭い人間でした。他人がスポーツをどう捉えているかなんて微塵も考えず、自分の価値観を押し付けまくっていました。

 一方で、手加減をしない私に「スポーツマンらしくない!」と言ったあの子は、きっと、「皆んなで楽しく」みたいなことを大事にしていたのだと思います。だから、初心者がいるこちらのペアに手加減をして、楽しく試合ができるようにした。それを私がぶち壊したから、少し怒ってあのようなことを言ったのかなと。

-----

 ここで、スポーツマンシップとは何かを語る気は、実はありません。

(※テーマなのに!!?)

 スポーツマンシップなんてものは、人それぞれだからです。「これがスポーツマンシップだ!」と言えるようなものは、決め付けることはできても、実際には存在しないのだと思います。

 私には私のスポーツマンシップがあり、あなたにはあなたのスポーツマンシップがあり、それぞれは尊重されるべきもので、押し付け合うものではない。

 そういうことです。おじさんになった私には分かります。

-----

 さて、今の私が当時に戻ったら、あのミックスダブルスの試合でどう振る舞うでしょう。私は今でも負けず嫌いです。指導する子ども達には、手加減は当然しますが、わざと負けるということはほとんどしません。

(※年中さんくらいにはわざと負けることもある)

 なのでたぶん、今の私がまたあの試合をやっても勝ちにいくでしょう。ただ、初心者のペアを置き去りにしない配慮くらいはできるはずです。例えば、私が速い球を打ってしまえば、その返球も速くなってしまい、ペアの子がプレーに参加するのが難しくなってしまいます。それを避ける為に、スピードボールは封印するでしょう。その上で、全力でやります。

 実はこれは、子ども達を相手にする時も同じです。こちらがスピードのあるボールや高さのあるボールを打つと、子ども達はノーチャンスになってしまいますから、それは打ちません。必ず子ども達が返せる球を打ちます。その代わり、脚は全力です。どんなボールも拾いますし、(時にはアウトも)わざとミスもしません。相手は、相手の実力でしか勝てないようにします。

-----

 ついでに少し『手加減』の話をすると、私の基本スタンスは、「どんな試合でも手加減は無用」です。エンジョイでも何でも、試合では全力で勝ちにいくべきだと思っています。

 でも、実力差がある相手と全力同士で試合をしても、どちらもハッピーになれません。そんな時は、お互いが全力を出せるようにハンデをつけるべきなんですね。コートを制限したり、プレーを制限したり、プレッシャーのかかる環境を作ったり。そうして、どちらも全力で試合ができるようにするというのが理想的です。

-----

 とはいえ、今考えてみても当時のあの試合の状況は難しそうです。ミックスダブルス。ペアは初心者の女子。相手は両方テニス部。コートを制限するというハンデをつけるのは難しそうですし、プレーを制限するのもあまり意味がなさそう。であればプレッシャーですかね・・・。初心者の子のショットによるポイントは、ただちにゲーム(4ポイント分)とする、みたいな(笑) ミスったら負けというプレッシャーは結構キツいですからね!

-----

 というわけで今日は、『スポーツマンシップって何?』というテーマでお話しました。今の私が敢えて定義するなら、「人がスポーツを楽しもうとするのを邪魔しない姿勢」という感じかなと思います。皆さんにとってのスポーツマンシップはどのようなものでしょうか?

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

ここから先は

0字
総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5