スポーツ嫌いを好きにすると凄い

　総合型地域スポーツクラブ　マネジャーの上杉健太(@kenta_u2)です。これを書いているの今日は、７年弱もの間クラブマネジャーを務めた一般社団法人たかぎスポーツクラブの最終出勤日です。この一週間は、指導を担当するクラスで連日お別れを繰り返してきました。その時に、「おかげでスポーツが好きになりました」と言われることがあり、これが本当に嬉しかったです。スポーツが好きな子がスポーツをやるのって、まぁ普通じゃないですか。でも、スポーツが嫌いな子がスポーツをやるって、たぶん最初は“やらされている”という状態だったと思うんですね。でもそれが「好き」に変わったというのなら、それはすごいことだなと思うんですね。というわけで今日は、『嫌いを好きにすると凄い』というテーマでお話したいと思います。「スポーツが嫌い」が「スポーツが好き」に変わるということは、その人のことを変えたというだけにとどまらない、すごい社会的インパクトのあることだという話です。

『嫌い』がもたらすもの

　『嫌い』って凄いですよね。「好きでも嫌いでもない」とかじゃない、「嫌い」というのは、これは相当なものです。スポーツ嫌いの場合はたぶん、被害があったのだと思います。恥をかいたとか、怪我をしたとか。

　この『嫌い』がもたらす可能性があるものは、さらなる『嫌い』だと思います。
　スポーツが嫌いな人は、その周辺の人もスポーツから遠ざける可能性が高いです。嫌いなスポーツでわざわざ遊ばないと思うので、結果的に一緒に遊ぶその周辺の人もスポーツから遠ざけることになる。放っておけばスポーツが好きになる可能性があった人を、「スポーツが嫌い」という世界に引き込む可能性があるということですね。（まぁそんな可能性を言い出したらキリがないわけですが）

　つまり、「スポーツが嫌い」という人がいる状況は、スポーツ人口が増えないどころか、スポーツ人口が減るという状況をもたらすということです。

　ちなみに、どうしてスポーツが嫌いになるかというと、ほとんどの場合は、体育や部活、親の意向による習い事などの”強制的なスポーツ”で、辛い思いをした経験からでしょう。「下手なことを馬鹿にされた」「笑われた」「苦しい思いをした」など。そうでなければ、嫌なスポーツをやらなければいいだけの話で終わって、「嫌い」まではいかないと思うので。そこにはきっと「嫌いなものを無理矢理やらされた挙句、辛い思いをした。にも関わらず強制されてスポーツを続けなければならなかった」があるのだと思います。私がスポーツを「遊び」の領域に置いておきたい最大の理由です。スポーツをやらなければいけないものには絶対にしたくない。

『好き』がもたらすもの

　一方、「スポーツが好き」という状況が何をもたらすかというと、さらなる「スポーツが好き」だと思います。

　たぶん、スポーツが好きな人がスポーツをやっている時って、凄い楽しそうだと思うんですね。で、楽しそうにしている人と一緒にいるのって、楽しいじゃないですか。なので、「スポーツが好き」という人がスポーツをやると、その周りの人も、「スポーツが好き」という状態になりやすいと思うんですね。

　私がその存在なんです。私はスポーツがもの凄い好きで、スポーツをやっているともの凄く楽しいんですね。たぶん、子ども達のスポーツ指導をしていて一番楽しんでいるのは、私なんですよ(笑)　だから、私と一緒にスポーツをする子はスポーツが好きになっていくんだと思っています。

　これは、「スポーツが嫌い」という人が強制的にスポーツをやっても生まれない状況だし、「スポーツは好きでも嫌いでもない」という人がやっても同じ。「スポーツが好き」という人がやらないと、周りの人をスポーツ好きにさせることはできない。
　「スポーツが好き」という人だからこそ、新たな「スポーツが好き」という人を生み出すことができるんです。

『嫌い』が『好き』になることの社会的効果

　ちょっとここで数字遊びをしてみたいと思います。