やっぱりストーリーが大事

 どうも!上杉健太です。
 今日は、『やっぱりストーリーが大事』というテーマでお話したいと思います。僕たちは誰でも人生の主人公。自分が主人公の物語が一人一人の人生。クラブも同じ。そこには必ず物語がある。それを語るか語らないか。そこには大きな差が生じる。それを改めて認識したので、お話していきたいと思います。


 先日、ふじみスポーツクラブの会員に運営委員会・子ども運営委員会の設立に向けた会員アンケートを実施しました。その背景として、ふじみスポーツクラブの状況を少しだけ説明しました。移住者である上杉が設立したもの。後ろ盾は何もなく、スタッフも自分だけであること。他のコーチも本業が他にある人たちであること。このあたりです。アンケートの回答の妨げになってはいけませんから、本当に簡単に。

 たったこれだけの情報を少しアンケートの説明に入れただけで、何人かの方からお声がけをいただきました。
「移住して来られたんですね?」
「クラブをやる為に来たんですか?」
「この前同窓会があったので、宣伝しておきました!」
こんな言葉を数名の方からいただいたんです。

 ただただ『多世代』『多種目』『多志向』の総合型地域スポーツクラブのコンテンツを会員に提供しているだけでは、こういう会員からの反応は絶対に生まれないと思います。宣伝(口コミ)に関しては、コンテンツの価値が高ければ生まれるものではありますが、場合によってはその価値を独り占めしたいという想いになる可能性もありますから、やっぱり「クラブを応援したい!」「コーチを応援したい!」そう思ってもらえるからこそ生まれやすくなる。

 やっぱりね、表面上のクラブからは見えない『ストーリー』をちゃんと語るのって大事だなと思うんですね。


 ではふじみスポーツクラブのストーリーって何なのか。ここで改めて確認をしておきたいと思います。

1.移住者が設立

 まずはふじみスポーツクラブならではのストーリーといえば、『移住者による設立』でしょう。多くの総合型地域スポーツクラブの場合、その地域である程度の信用があったり、活動実績があったり、人的ネットワークがあったりする人や組織が設立者となります。ところがふじみスポーツクラブの場合は、それまで全く富士見市とは関わりのなかった上杉が、総合型地域スポーツクラブを設立して運営する為に移住をしてきて始めています。これが極めて珍しい事例だと思います。(※僕自身のストーリーは今日は語りません)

 富士見市がスポーツ推進計画で総合型地域スポーツクラブの設立を謳いながら、5年間何もできなかったところに、その計画の最終年度に移住者がやってきてすぐに作ってしまった。そして設立や運営に関して、支援を移住者から市に申し入れを行ったにもかかわらず、市は「実績がない」の一言で一蹴。ここまでがセットで非常に面白いストーリーになっていると僕は思っています(笑) 一応今も富士見市はふじみスポーツクラブに対して一切の支援等を行っていないと思いますので、まだ活動実績は認められていない状態です(;^_^A (※知らないところで支援してくれていたらごめんなさい!ありがとう!)

2.理念に共感したスタッフが指導・運営

 とはいえ、何もその移住者が一人で動いて設立されたわけではありません。SNSで共感した市民、有志の富士見市のスポーツ推進審議委員、隣の市の総合型地域スポーツクラブの協力を受けて設立され、運営されてきました。
 ただそこにあったのは、ただただひらすらにクラブの理念や移住者への協力の念です。それ以外のメリットなんて、ほぼありません。それこそ行政主導で立ち上げられた総合型地域スポーツクラブの動機としてよく見られるのが、「補助金もらえるからやる」というものですが、そういう金銭的なメリットもなければ、その他の”美味しい支援”みたいなものもなく、本当に純粋に「お前がやるって言うなら手伝ってやるよ」という男気みたいなものだと思います。
 つまりね、これは純粋な市民活動なんですよ。行政支援もゼロですし、民間企業などの後ろ盾もありませんし、設立者である移住者もちゃんと移住して市民になってからクラブを設立していますから、そういう意味でもこれは真の市民活動として立ち上げられ運営されている総合型地域スポーツクラブなんですね。

 とはいえ、コーチの中には金銭的なメリットを期待してクラブに関わってくれている人ももちろん現れてきています。これは非常にクラブとしては健全で喜ばしい状況です。でも設立当初に関して言えば、全く何もコンテンツも資金もない状態ですから、そういった期待をすることはできなかったということです。それでも立ち上げに関わった人たちがいた。それは理念への共感以外はあり得ない。

3.会員・地域住民の想いを形に

 市民活動としての総合型地域スポーツクラブ。
 これは、何も設立当初だけの話ではありません。設立3年が経とうとしている今でも、市民の、市民による、市民の為の活動・運営をしています。2024年度(令和5年度)のスタート活動数は30にも及ぶまでに成長したふじみスポーツクラブですが、活動を増やしてきたきっかけや原動力は、まぎれもなく市民の声です。

「小学生の息子がテニスをやりたがっているんですけど・・・」
「指導はいいから、同じくらいのレベルの人達とやりたい!」
「時間割が変わるから、もっと遅い時間にクラスがあるといいのだけど・・・」
「小学生のバドミントンもやりませんか!?」
「バルシューレの指導者資格とったので子ども達を集めて教えたいです!」
「仕事を始めるから、平日の日中は来れなくなる。土日とか夜にできませんか?」
「部活動が物足りないから、ふじみスポーツクラブでやってくれないか!?」
「チームに入るほどではないんだけど、たまにはフットサルまたやりたいんだよな~」

 こんな声をいただく度に、それをクラブの活動として作っていきました。その結果が3年間で30クラスになっていったんですね。僕たちは生きています。生きているから、できることは変わるし、やりたいことは変わる。クラブが市民活動だからこそ、移ろいゆく市民の感情や意思によってクラブも変わっていく。活動が増えていく一方で、なくなっていった活動も実はたくさんあるんです。自分たちがやりたいことを、自分たちでやる。やりたくなくなったらやめる。それが良くも悪くも市民活動です(笑) ふじみスポーツクラブも市民の意思を反映しながら、理念である「生涯スポーツ社会の実現」だけはぶれないように運営をしてきました。きっとこれからもそうあるでしょう。


 ざっとこのあたりがふじみスポーツクラブのストーリーかなと思います。これに僕個人のストーリー(プチエリート、脱サラ、地域おこし協力隊など)を絡めると、また少しだけスパイスの効いた物語になるのかもしれません(笑)


 ということで今日は、『やっぱりストーリーが大事』というテーマでお話しました。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5