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MLBの労使交渉についてザックリ解説

先日、MLBの労使交渉が難航し、ロックアウト・開幕延期が確定してしまいましたが、いったい何にそんなに手こずっているのか、ザックリと綴っていきたいと思います。

まず労使交渉とは、選手会側とMLB側が5年毎に行うことになっている、これから五年間のルール決めのようなモノです。

プレー中のルールから、金銭面の取り決めまで、選手会の要望とMLBの提案を照らし合わせながら双方合意の上でシーズンインできるよう、互いに話し合いを重ねます。

毎回ホットなテーマになるのが金銭面の取り決めです。

選手は年俸の制限を少しでも緩和したい。MLBは選手年俸にかかる費用が跳ね上がることを少しでも抑えたい。基本的に両者の思惑は真逆を行っている訳ですから、当然平行線です。

そんな労使交渉ですが、1994年にも大きな問題が発生して、1年近いストライキを選手会が決行しています。

この時も渦中の話題は、年俸に対して制限をかける案を労使協定に盛り込むという金銭面のテーマでした。

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では、ここから今年の問題についてですが、大きな問題は3つです。

1. 最低年俸額

2. ぜいたく税基準額

3. 年俸調停前の選手へのボーナスプール


1.最低年俸額

その名の通り、選手に対する最低年俸額についてです。

選手会は大幅な金額引き上げを要求していますが、

MLB側の提案と2000万円以上の乖離があり、MLB側は段階的に額の引き上げを行うと表明していますが、それでも選手会側との折り合いがつかず、話し合いは難航しています。


2.ぜいたく税基準額

ぜいたく税とは、球団が選手に払う年俸総額が基準額を超えた際に発生する税金のことです。資金潤沢な球団が大金を叩いて有望選手を囲い込むことを避け、課税分を他球団へ分配する仕組みになっています。

しかしこの制度によって、選手は活躍に見合った年俸の上昇を期待できなくなっています。球団の収益は上がってもこの制度があるおかげで年俸を抑えられる口実になるからです。

選手会はこの基準額に対して大幅な引き上げを要求していますが、

MLB側の提案と約40億円弱の乖離が発生しており、こちらも話し合いは難航しています。


3.年俸調停前選手へのボーナスプール

MLBでは、一般的に3年目までの若手選手は年俸交渉(年俸調停)ができないとされており、そのことから有望な若手選手をほぼ最低年俸で起用できることが問題視されています。

そこで選手会側は、活躍した3年目までの若手選手に対するボーナス支給によって公正な報酬支給を要求しています。

このボーナス支給に充てる予算のことをボーナスプールと呼んでいます。

そして、このボーナスプールに関して約100億円の乖離が発生しており、話し合いは難航しています。

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以上が主な問題点とされているテーマです。

他にも労使交渉で話し合われているテーマは数多く存在しますが、選手会側の大きな要求は、一貫して若手選手の待遇改善のように見れます。

選手が納得する環境でプレーできることが最優先とは思いますが、MLBが少しでも出費を抑えたいという気持ちも多少理解できます。

ともかくシーズンインが延びて試合数が減れば、両者及びファンにとっても苦しい時間が続くことになります。

一刻も早い議論の終着を望むばかりです。


参考;
日刊スポーツ
読売新聞オンライン
スポーツ報知
MLB.JP



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