【最高峰のボランチ対決】アミノ杯決勝 法政大学vs産業能率大学

関東地区にある1都5県地域の各都県大学サッカー連盟と関東大学サッカーリーグに所属する大学サッカー部によるサッカー大会 アミノバイタルカップ決勝(総理大臣杯関東予選)が7/25 17:30KOで行われます。

決勝のカードは
法政大学vs産業能率大学

法政大学については近年リーグでも上位常連校ですし、日本代表で活躍する上田綺世選手、松本山雅FCにおいては宮部大己選手が出身です。
関東大学サッカーリーグ前半戦を2位で終え、ここまで上がってくるのも納得の大学です。

一方、産業能率大学、現在関東大学サッカーリーグ2部。前半戦が終わって12チーム中11位で、まさかここまで上がってくるとは予想できませんでした。

この2チームを準決勝の試合を振り返りながら紹介していきたいと思います。

・法政大学

4-4-2をベースに試合中に可変させながら戦う組織力に長けたチームです。そして、ビルドアップの場面ではプロさながらの動きを見せます。
準決勝の東京学芸大学戦。ビルドアップの部分で大きな役割を果たしたのがボランチの6番 松井選手と33番 渡邊選手でした。

松井選手の主な動きは、2枚のCB中央に落ちる動きが目立ちます。
最終ラインに落ちる事でフリーとなり、2ラインを一気に崩すようなパスや強い身体を活かしたドリブルで持ち上がります。そうすることで相手のプレスの第一波をいなしていきます。
学芸大での1得点目は、まさに前半23:15 松井選手のライン落ちから始まったものでした。
後半22:00にも松井選手のライン落ちから、相手のボランチ脇まで2ラインを崩すパスを見せています。

同じライン落ちでも33番渡邊選手の動きは狙いが変わってきます。
渡邊選手は2CBの脇に落ちることが多いです。特に左CBの脇に落ちた時の仕事は逸品です。
渡邊選手が最終ラインに落ちることで、左SBの陶山選手が大外レーンの高い位置を取ることができます。その動きに連動して左SHの若林選手が左のハーフスペースに動き、三角形を作ることで組織的に崩す場面が見られます。
前半10:20ではこの動きから若林選手の裏抜け。
後半19:50では、これに似た動きで右サイドを突破し、3得点目を決めています。

この2人のボランチの良さが詰まった試合とも言えます。
今節はベンチ外でしたが横浜FC内定の14番 田部井選手が入ると違った良さを発揮します。基本、松井選手は固定で渡邊選手か田部井選手かで争われます。
田部井選手の場合だと中盤にドッシリと構えていることが多く、その分松井選手が攻撃のタクトを大いに振るいます。6月後半の横浜桐蔭とのリーグ戦では、バランサーを田部井選手が務めていました。172㎝と身長は高くありませんが、高いサッカーIQの持ち主で常に自分が何をすべきか把握しているように見えます。

中盤の組み合わせでチームの味付けを変える事もできますし、前線には町田内定の佐藤や前橋育英出身の飯島といった質の高いストライカーがいます。
組織、個で優れたチームで優勝は固いと思われます。

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・産業能率大学

ノーマークというか大学サッカーを見始めて3年経ちますが、試合を観るのは今回の山梨学院大学戦が初めてでした。その中で光る才能が多くいて、リーグ戦が上手くいっていないことが不思議に思います。

山梨学院大学戦では、3-4-2-1を採用。
常に試合の中心にいたのは、14番 中村選手の存在でした。
特に目立ったのが足元の上手さです。パス精度、チャンスメイク、キッカー。どれもハイレベルで札幌U-18で育ち、培ってきたものが繋がっているかなと思わせてくれます。如何にもペドロヴィッチ監督が好みそうな選手です。
前半10:45には自身を中心とした1,2タッチの連続で相手を剥がす。
前半36:20には身体のちょっとした向きで相手DFの裏を取るパス。
3バックでも後ろに重くなり過ぎないのは、中村選手のボールスキルや動き回ってくれる有馬選手のボランチ2人あってのものだと随所に感じさせてくれます。

前線にはU-17日本代表で快速ドリブラー 川名選手がおり、後半1:25にはこぼれ球から小さいモーションと膝下の振り抜きの速さを見せてゴールを決めました。

この他にも高校サッカーでJクラブも注目した北越高校 藤吉選手、川名選手と同じくU-17代表経験を持つJFAアカデミー 外薗がおり、選手層をみると厚いです。

監督は2005~2007年 長野エルザ時代には監督、2010~2012年 長野パルセイロ時代にはヘッドコーチを務めた小湊隆延さんが指揮しています。

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全体としてのレベルがかなり高いので、Jリーグに負けず劣らずな濃度の試合が展開されると思います。
恐らく法政がボールを保持しながら試合を進める展開が長くなります。その中で、一発で崩せる能力を産能大は中村選手や川名選手を中心に持っています。
お互いにハイレベルな中盤の選手を有しているので、ボールが入った時には注目です。
YouTubeで無料で視聴できるので是非ご覧ください。





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