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【2部の意地と強者の風格】アミノバイタルカップ決勝 法政大学vs産業能率大学

7月25日 17:30KO
アミノバイタルカップ決勝 法政大学vs産業能率大学が行われました。
既に全国への切符を掴んでいる両者ですが優勝を掛けての一戦です。

真夏の高温多湿の気候で中2日、3日とハードスケジュールな日程の中で総意を尽くしてここまで勝ち上がってきました。
法政大は成蹊大学や立教大学といったデータが少ないチームとの予選を勝ち抜いてきました。
対して産業能率大学は、関東大学サッカーリーグ2部所属ながら筑波大学や東洋大学といった1部クラスの強敵を倒しての決勝進出です。

スタメン

・法政大学

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準決勝の東京学芸大学戦ではターンオーバー。
GKを中川→近藤、右CBを萩野→松岡、右SBを森山→宮本、左SBを陶山→今野、左SHを若林→安光、2トップを飯島・中川→中井・佐藤。計7人の変更で決勝にベストメンバーをぶつけてきました。
ボランチはそのまま。監督からの信頼をうかがえます。

・産業能率大学

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産能大も準決勝の山梨学院大学戦から大きくメンバーを変え、決勝に照準を合わせてきました。
GKを菅野→牧野、CB中央を唐木→矢口、左CBを鳥海→小山田、右WBを藤吉→山崎、ボランチ2枚を中村・有馬→小野寺・川人、左WBを田島→池内、前線は川名だけ残し鈴木・中島→菅原・城定。計9人の変更。
前節ボランチで良い動きを見せた中村がベンチ外、有馬がベンチと大胆に変更してきました。

試合内容

・前半
一見すると産能大が守備に追われているかのように見えますが、狙って守備をしているようにも感じます。法政の中盤の松井・渡邊にボールが入ればボールを運べたり、一発でライン間や裏を突くパスを通すことのできる能力を持っています。なので2シャドーでコースを切り、万が一SBから斜めにボールを入れられたらボランチが予測して捕まえに出ることが徹底されていました。(8:00~

ボールを持たれる時間が長い産能ですが、ロングボールを9番菅原が競って落とし、川名・城定のテクニシャンコンビが法政のライン間や密集地帯を突破してチャンスを作っていきます。(9:40~)(17:50~

法政大は中央から崩す手立てが見つからない中で、オーソドックスに3バックの弱点である3枚の脇のスペースをCBからのロングボールで使おうとします。左サイドの深い位置を狙い、左SH安光と2トップの一角がサイドに流れながら攻略を試みます。(22:05~

ボールを持ってロングボールとサイドから崩そうとする法政、引き込んでロングカウンターとセットプレーから1点を狙う産能といった様相で前半が終了。

スクリーンショット 2021-07-26 21.42.59

・後半
何度、法政のセットプレーを見ただろう。というくらい法政のCKのオンパレードだった気がします。BOX内に7枚、ボールサイドに2人置いたりと人数を掛けて先制点を目指します。6番松井を中心に、幾つものパターンを見せました。この試合だけで法政のセットプレーパターンを全て見れる気がします。(77:20~)(89:50~

産能は前線3枚を変えて以降は、ボールの収まり所が無くなり苦しい展開に陥っていきました。法政に何度もCKを仕掛けられますが、3バックを中心に長身の選手が揃っていので集中して跳ね返し続けました。

・延長戦前半
法政の猛攻が1点に結びつかず15分ハーフの延長戦へ。
お互い中2、3日で戦い抜いてきただけあって、一発を狙うようなロングボールの応酬になりました。

・延長後半
開始早々、産能は押し込んだ状態から法政GKのSBへの浮き球パスを32番菊池がカット。シュートコースをうかがいながら中央へ。そこに走り込んできた19番小野寺が受けて1人かわしシュート貴重な先制点をあげます。(106:10~

苦しくなった法政は、攻めるしかなくなり攻勢に出ます。
相手のクリアがハンド疑惑により一瞬止まりかけた所で、即座にボールを回収し右サイドの3番宮本へ展開。クロスを入れると、産能DF陣のクリアが味方に当たりゴールへ。土壇場での同点弾となりました。(112:25~

お互いロングボールで相手を押し込みますが、ゴールには至らずPK戦へ。

・PK戦

先攻:法政 後攻:産能
お互いに勝ちたい気持ちがヒシヒシと画面越しでも伝わってくる内容でした。リスクは大きいですが上方の隅、ど真ん中を狙う選手が多く、自分でPK戦の流れを引き寄せるんだという強い意志を感じました。
お互いに1人ずつ外し、5人では決着がつかず11人目まで周りました。

11人目は、GK同士の対決。
産能の牧野はジュビロ磐田ユースで法政の近藤の先輩。
近藤が正GKの座を掴んでいる一方で、牧野は今季リーグ戦出場1試合のみ。
対極の状況にある先輩後輩対決となりました。
先攻の近藤は左に蹴ると、最後まで動かなかった牧野が弾きます。
重圧の掛かる後攻でのキッカーの牧野は右隅に決め、見事勝利!

産業能率大学史上初のアミノバイタルカップ優勝を果たしました。

感想

産業能率大学の選手・スタッフの皆さん優勝おめでとうございます。
全員が守備意識高く、川名や城定といったスキルフルの選手も真面目にプレスバックをしていて見ごたえあるゲームでした。リーグ戦では2部11位と降格ラインを彷徨っているのが不思議なくらい今大会で見せた守備での粘り強さ、前線のアイデアは面白かったです。
山梨学院大学戦で出ていた中村・有馬のコンビも技術が高くて非常に楽しみな選手が揃っているので、これからの巻き返しに期待したいです。

法政大学は敗れはしたものの強者の戦いぶり。
どうやって崩すのか、何処に立てばいいのか。個人で主体的に動いて狙うスキルは1人1人高い所にあると初心者ながら見ていて感じました。
中でも川崎内定 6番松井蓮之選手はサイズ、ゲームコントロール、パス、ヘディングを特に高い水準で兼ね備えていて大会通して、思わず目が留まってしまう選手でした。個人的MVPです!

大学サッカーも年を追うごとに進化して、プロの試合を観ている感覚すら覚えます。後期リーグ戦も楽しみになる大会でした!





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