中央大学 法学部 通信教育課程 2019年 刑事訴訟法 第3課題

第3課題
警察官が、意味不明のことを言っている客が修理工場を出たとの連絡を自動車修理工場から受けて、その車輌を探し、これを発見して、止まるように呼びかけたがこの車輌は停止せず、蛇行運転をする等をしながら1キロほど走ってようやく停止した。停止させた車輌の運転手に職務質間をしたところ、落ち着きのない態度で、質間に素道に応じず、顔色は青白く、目をきょろきょろさせ、また、意味不明なことをつぶやくなどしていた。運転免許証を照会したところ、覚せい剤の前料があることが判明した。その後、職務質問を継続するべく、降車を求めたが、エンジンを空ふかしし、ハンドルを切るような操作をした。そこで、職務質問に当たった警察官は、発進を阻止するべく、窓から手を入れて、エンジンキーのスイッチを切り、エンジンキーを取り上げた。降車後にこの者は、通行車輌に大声をあげて近づいたり、ハンドルに腕を絡めて引っ張り、痛い、と言う等の不審な拳動が見られた。
警察官は、かかる状況に照らして、覚せい剤の自己使用の疑いありと判断して、強制採尿令状を請求する手続に入った。その令状を裁判官から入手して現場に戻るまで、2-3時間の時間が経過した。
この事例で、エンジンキーを取り上げた措置の適法性及び令状申請のために裁判所に赴き令状を入手して現場に戻るまで数時間、職務質問の対象者を留め置いた措置の適法性について、理由を示して、検討しなさい。

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