IRONMAN カザフスタン 2022 後編
現地に着き、順調に調整していった。
ただ少し、心拍数がいつもより高めなのは気になっていた。
そして当日、睡眠中のOura ringの結果を見ると
ここ最近では最悪の結果が出ていた。
とりあえず今はそんなことは考えても仕方ないのでウォーミングアップしに走り行くがキロ7分でも130といつもより20ぐらい高くびっくりした。
ベストパフォーマンスを発揮するのは難しいかなと思ったが
とにかく今の全力を出そう。
そう腹に括った。
そしてスタート。
スイムは練習した成果が出せず、最初から体の動きが悪かった。
一周目を終えてスイムアップしたら体はヘトヘト。
もうリタイアしたいとすら思った。
そして絶望感を感じつつ、スイムアップ。
1時間15分
想定より10分遅かった。
しかしとにかく焦らずバイクに進む。
バイクは
最初の90kmまでは目標パワーのAve200Wを維持でき良かったが、やはり乳酸が溜まるのが早く、ここからとにかく騙し騙しで
パワーが出せない分体を小さくし省エネで行くことに。
最後の方はもうカスみたいなパワーしか出てなかったが追い風の影響もあり、大幅に失速はしなかった。
なんとかろうじてバイクは終了。
バイクが終わった時点でもうほぼ全てのパワーを使い果たしていて、頼むからランで脚が動いてくれと少し泣きながら願ってしまった。
この時点でバイクラックには同じエイジの選手のバイクが二台かかっていたので今自分は3位なのかと想定した。
ランが始まると
意外と脚が動いて、フラットなコースの影響もあり、キロ4:30で7kmぐらいまで行けた。10kmを4周するコース。一周目で同じエイジの選手とすれ違い、この時点で2キロ差、約10分、、もしかしたら行けるなと思い始める。とにかく自分が潰れないように、少し減速するが、4:40ぐらいで巡航。そしてすれ違う時は自分のゼッケンを隠して同じエイジグルーパーが追ってきているとこを気付かれないように心理戦も適用した。
2周目少し差が縮まってきている!
そして2人ともかなりきつそうな顔をしている。
きたきたー!と思い始める!
これがロングの面白いとこやなと元気が出る。
3周目、完全に捉える。
一気に抜かすが、この時もゼッケンを隠して抜かしたことをバレないようにする。
自分だけパワーが出る作戦。笑
この時点で25kmぐらい。自分もしんどくなってるから、エイドでは休憩し、バレないように抜かした選手がエイドに来る前に出発する作戦を取る。
自分も消化不良でお腹にガスが溜まってかなり痛くなっている。
水、補給食は一気で食べれない。食べたらすぐに腹痛がくる。
とにかくジェルを握りしめて、1キロごとに少しずつ舐める。
なんとか最後までもってくれと祈るばかりだった。
そして
ラスト10kmは自分も瀕死の状態だった
なんとかゴール。
とにかく頭の中でここまで来て不調でしたはかっこ悪し、ハワイハワイと頭の中で唱えて最後まで走り切った。
ゴール後は倒れ込んだ。
3種目ともおそらく8割ぐらいのパワーしか出せず、そこは悔しかったが、作戦と根性で1位を獲れたと思う。
産まれて初めて大きな夢を叶えた。
いつも本気で目指す夢はあと少しで叶わず、自分は夢なんて叶わない星に産まれたと思っていた。
だから初めて夢を叶えて少しビックリしているが、こういう気持ちなんやと実感した。
さて次はいよいよ世界選手権。
自分はトライアスロンに出会った舞台に戻れる。
すごい楽しみで仕方がない!