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棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ

先日、八甲田山を歩くため青森に前泊し、青函連絡船メモリアルシップの八甲田丸や八甲田山雪中行軍遭難資料館を巡り、棟方志功記念館を訪ねた。

八甲田丸
八甲田山雪中行軍遭難資料館

「安於母利妃」展を開催中の記念館では、ふくよかな女人像を鑑賞して、小島政二郎『聖体拝受』の雑誌連載を、棟方の挿画で飾れた超むかしの歓びをよみがえらせた。聞くところによると、来春には閉館になるというから、滑り込みセーフである。

帰京してほどなく、「生誕120年棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」(東京国立近代美術館)の開催中をネットで知って、早速、足を運んだ。会場に入ると、まず《八甲田山麓図》《十和田・奥入瀬C》が出迎えてくれる。仏教に題材をとった《二菩薩釈迦十大弟子》《捨身飼虎の柵》や、谷崎潤一郎が自選した短歌を版画にした《谷崎歌々板画柵》、《ホイットマン詩集抜粋の柵》などが心に残った。

二菩薩釈迦十大弟子
谷崎歌々板画柵
谷崎潤一郎「鍵」中央公論

谷崎潤一郎の連載小説『鍵』に棟方志功が挿画を描いた『中央公論』をはじめ、装幀本『鍵』『瘋癩老人日記』も展示されていて、いにしえの編集者は胸を打たれた。

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