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「夏至物語」 -ミニマルだけど、岩井俊二監督作品の好きな部分が全部詰まってる

「4時22分 きゅうりの食べすぎで、お腹をこわす
明日からはもう、きゅうりは一切食べないことに決めた」

破綻した日常の物語じゃなくて、破綻した世界が前提になっている物語。
そこに穏やかさとか美しさを見出すのを、時代性というのかもしれない、と思う。

友達に見せられたエヴァンゲリオン(リメイクされる前のやつ)とか、同じような雰囲気があると思うんですよね。
こういうの「終わらない日常」系っていうんだっけ。

たったふたりだけのキャスト(ほとんど一人、といってもいい)、30分に満たない本編。

岩井俊二監督は、物語の終わらせ方がいつも素晴らしいな。

もの言いたげな、幻想的で美しいイメージシーンと、シンセパッドの音とか、いかにも90年代、っていう気がするけれど美しい。
埃をかぶった鏡に映る、髪の毛の緑の影もすごく綺麗。

ずっと昔に、ごく一部だけを観て、気になっていた作品。 
でも、断片の雰囲気だけで、「岩井俊二監督かな?」ってわかるのはすごいな。
「岩井俊二 きゅうり お腹をこわす」でタイトルを見つけられるGoogleもすごいと思うけれど。

「TSUTAYAでレンタルしているよ」と教えてもらったので今回見直すことができた(検索機でお取り寄せレンタルできるの、便利)。

DVD化されるにあたってリマスタリングとかはされてないみたいで、画質は悪いし、エンコードの関係なのか、動画も全然滑らかじゃ無いしジャギも気になるけど、見られて良かった。

ちゃんとリマスタリングしたやつ出ないかな。できればお求めやすい価格で。

Filmarksやっています。よかったら他のも見てみてください。

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