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ぼくのライブエイド研究2

西寺郷太さんが書いてくれなかった、もうひとつのウィ・アー・ザ・ワールドの呪い

その2 ソロパートを歌った以外の人たち!

■ では、みなさんはもう、第1回は読んでくださったものとして、さっさと進めさせていただきます。前回は「ライ」(ライブエイドのフィナーレで歌われた「ウィ・アー・ザ・ワールド」)でソロのパートを歌った人を説明しましたが、今回はそれ以外の方々です!

■ 西寺郷太さんの本「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」では「オレ」(オリジナル・レコーディング版の「ウィ・アー・ザ・ワールド」)に参加したメンバー全員45人、コーラスだけに参加した人までをたんねんに追って、レコーディング現場の全員集合記念写真に映ってない人を特定して、なぜ写真撮影に残らず帰ったのか、その人の心情を分析するという、恐るべきプロファイリングをやっていますが、ちょっと「ライ」のステージ全員を特定するのは、ぼくには不可能です。みなさんも大型テレビで何度もリピートして、一時停止しながら、ぼくのわかんない人について教えてください。

■ エリック・クラプトン

は、ココにいる!

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熱心なファンの人には常識だったと思いますが、ぼくはずいぶん後に気づきました。すいません。

ボブ・ディラン(とキース・リチャーズとロン・ウッド)のライブが終わり、ライオネル・リッチーとハリー・ベラフォンテが出てきて、ふたりともキース、ロン、ディランと軽くハグします。「オレ」のメイキングも思い出す、いい場面。

そしてライオネルがソロを歌い出すと、0:45くらいから、ボーカルに絡むように薄〜く、キュイキュイっとギターの音が聴こえる。これ、クラプトンのギターじゃね? たぶん、これはクラプトンだ、という音が、実は曲終わりまで、ず〜と響いているのです。

最初にリアルタイムで見てたときはまったく気づかなかった。公式DVDが20年後の2005年に出たとき、音がよくなってて、ヘッドホンで聴いてようやく気づいたんだと思う。気づいてなかった人も耳をすまして聴いてみてください。だって、いちばん後ろに隠れてるから、演奏中、一度もクラプトンがアップになる場面はないんですから!(カメラマンも気づいてなかった可能性。

いやクラプトンが全面的にギター参加、って思っただけで、ショボかった「ライ」が「オレ」に匹敵するグレードになった、と思えてきませんかね!(むりやり)

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0:48くらい、ライオネルの後ろ、手前に並んでるのがトンプソン・ツインズの人たちだとはわかります。右の白い半ズボンの人は、ライブ中、司会で何度も登場したSNLでもおなじみのコメディ役者、チェビー・チェイスです。

中央後ろのほうはホール&オーツ関係の人がいるのも、なんとなくわかりますね。

■ ピーター・ポール&マリー

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1:17くらい、1960年代フォークの象徴である、ジョーン・バエズとボブ・ディランが並んでるのも美しいですし、その後ろにやはり60年代フォークのアイコン、ヒット曲「パフ」でもおなじみ、ピーター・ポール&マリーさんたちもいたようです。

当初はディランとの共演が予定されて、クレジットもされたのですが、当日近くなって「キースとロンが来てくれるなら、そっちのほうがいいや」てことで出番がなくなり、フィナーレのみ参加になった、とのこと。(泣

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1:28くらいに、シーナ・イーストンがソロを歌い出す前に、野太い「グーワ!」っという咳き込んだ声が聴こえる。誰なんだろう?

2:05くらいにも、メリサ・マンチェスターがソロを歌ってる最中も「ゥオイ!」みたいな野太い声が入ってる。誰かマイクが生きてることを気づかず発声練習とかしてたのか?

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2:14くらいにようやくミック・ジャガーとティナ・ターナーがコーラスしてるのが写りますが、一瞬でした。ライブ本編のクライマックスを飾った2人にしては、なぜか控えめです。

このあと、2:23くらいから、横にワイプしていく画面になると、最初いなかった若手(デュランデュランとか)がステージ下手に増えてて、最初は上手にいたジョーン・バエズが(たぶんシーナを嫌って)ちゃっかり移動してたのがわかります。

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ステージ司会やテレビ中継でも活躍した役者陣では「マイアミバイス」のドン・ジョンソンや、「ラストショー」や「スターマン」の2枚目、ジェフ・ブリッジス、やはりSNLなどで有名なコメディアン、ジョー・ピスポコなどもいました。大御所ジャック・ニコルソンも司会には参加してましたが、歌には出てきませんね。

■ おれも、そっち行くわ!

3:15くらい、ますますステージ上に人が増えてきて、誰がどこかわからない状態になります。最初センターにいたはずのディランが「寂しかったよ〜」とばかりにクラプトンの位置まで移動してます。

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3:25くらい、ディオンヌ・ワーウィックの横にずっと、どっしり構えた全身黄色の人が気になってましたが、この人はライブでも真ん中へんの出番でおなじみヒット曲を聴かせていた、ベテランコーラスグループ、フォー・トップスのリーヴァイ・スタッブスさんだったようです。

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フォー・トップスの人は他にもいたようだけど、みんな最初の出番のキメの衣装から着替えて普段着になってるので、もうイメージが違って判別がつきませんでした。すいません。

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3:40くらいから、少年コーラス隊でステージがビッシリになってるけど、アーティスト達も逃げ場もなく、ごったがえしている。

■ あれ・・途切れたよ・・マイルス!

3:50頃のライオネルのアップのカットくらいのところで、当時の日本時間、1985年7月14日(日曜日)11時58分頃にフジテレビの生放送は終了してしまってました。カットが変わると焼酎VANのCMになり、そこには、やはりライブエイドのステージにも出演をオファーされていながら、出なかったマイルス・デイヴィスの姿が! これも特別参加!

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そういえば、日本では数日後(当日夜?)にライブエイドのダイジェスト版再放送があり、そこでは、この先の模様も放映されていたらしんですが、ぼくは見てませんでした! すいません。確認できたら追記します。

では、こちらはyoutube版で、続きを追求したいと思います。4:00過ぎくらいに、ようやくティナとミックがアップになるね。

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4:20くらい以降、とにかくパティ・ラベルさんの絶叫がすごいので、他の人の声がわからないけど、画面は全体を写してますが、いろんな人が交代でソロ部分を歌ってるんじゃないか? て感じの声が聴こえます。5:00以降はライオネルの指揮で、観客たちも大合唱になっているので、ますます盛り上がって混沌としていきます。

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画面は全体の引きだけど、5:38くらいからソロを歌ってるのはダリル・ホールの声かな? と思ったら、5:50にやっぱりホールから、またライオネルにマイクを返すカットがあった。ライオネルの表情もいい。「オレ」仲間だね!

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6:15くらい。熱狂して合唱する大観衆を捉えるロングショットが多い。10万人を集めたJFKスタジアムの大きさを実感する。

■ シェールが来た?

6:45くらい、唐突にシェールがワンショットでコーラスに登場します。シェールだよね?

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シェールは1960年代から活躍してヒット曲もたくさんある人で、女優としても活躍、その後90年代以降もディスコ物でヒットなど出して、今も健在な息の長いディーヴァですが、この時点でも、本編ライブに出てもおかしくないくらい有名なのに、今まで登場してなくて、なぜか最後の最後になって、ひょっこり発見されてしまいました。

(追記)シェールは偶然、フィル・コリンズがロンドンからフィラデルフィアに飛ぶコンコルドの中に居合わせて、一緒についていったらしい、と英語版のwikiに書いてあった!

7:07くらいで最後のコーラスになり、シェールもセンター、ライオネルのすぐ後ろくらいに位置取りしている。画面はずっとスタジアムの大観衆の引きの絵。

7:16くらいで、派手なドラム(誰だろう? ホール&オーツのバンドの人?)でのエンディングがあって、抱き合うライオネルとベラフォンテ。スタジアムの空撮、で、DVDにも収められた、現在youtubeで見られるオフィシャルの映像は終わっています。

が、当時の欧米の生中継映像では、その後、まだ数分引っ張っていました。

■ 公式がカットした、エンディングの続きとは?

なんか「ワンモアタイム!」みたいな掛け声が入り、再びドラムから演奏が始まり、サビのコーラスへ。中央にいる眼鏡の白いシャツの男、こいつが指示を出したんだと思います。アメリカ側のステージの仕切り屋、伝説のロックコンサート・プロモーター、ビル・グレアム(グラハム)。この人については次次回に詳しく触れたいと思います。

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いちばん後ろ上手のほうでジョーン・バエズは、今度はミック・ジャガーと絡んでいました。ミックはこの後はしゃぎながら前に出て行こうとするも、人が多過ぎて進めず。

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画面には映らないんだけど、誰か歌手ではない、すごいヘタな人がソロを取ってるような声が聴こえる。これはライオネルのマネージャー、ケン・クレイガンか、ビル・グレアムではないか、という説もある。

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コーラスを一通り回して、また大盛り上がりしてから再びエンディング。みんなステージ上で抱き合ったりしている。ベラフォンテもうれしそう。

■ イギリス〜アメリカ。BBC、ABC、MTV!

イギリスBBC放送の生中継はココで切れて、キャスターのコメントとアフリカの映像へ。しかしアメリカABCとMTVでは、まだステージの生中継が続く。

盛り上がって観衆に手を振っているライオネルに、ビル・グレアムが何か耳打ちしている。どうやらチャリティ募金の結果を知らせてるよう。

ライオネルが観衆に向かって「40億ドルも集まったそうだよ! ありがとう!」と達成感いっぱい、満面のドヤ顔で叫んでるとこで、エンドロールが流れる。

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ステージでは、まだライオネルが観衆に感謝の言葉を述べている声が聴こえる途中で、バックステージに引きあげてくるティナ・ターナーがインタビューを受けたりしている。

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アメリカ、ABC放送ではライオネルがドヤ顔してた頃、MTVではキャスターのコメントに切り替わって、肝心な場面を逃してた。けど、ABCの中継が終わる頃、MTVは再びステージ中継に戻した!

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これはMTVの中継にしかなかったライオネルの安堵の笑顔

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さらにライオネルが、観衆にグレアムを紹介しようとするので、片手にイベントの進行表ボードを抱えたグレアムが「おれのことはいいから、とっとと締めてくれ!」と言ってるの図。

そしてスタジアムの全景の絵になり、ややグダグダだけどハッピーなライオネルの「グッナイ、ゴッブレス」という声で、生中継が終わる。。お疲れでした。。

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■ なぜ、この人はいなかった? グレース・スリック

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ここまで見て、ぼくがどうしても発見できなかった人、ステージ上にいてもおかしくない人がグレース・スリック。ジェファーソン・エアプレインで60年代からロックシーンで活躍し、80年代はスターシップとしてヒットを飛ばしていた。そして彼女は、シーナ・イーストンやメリサ・マンチェスターやディオンヌ・ワーウィックと一緒に、事前告知番組や、当日のテレビ生中継にもホストとして出演していたのに? 本来、ライブ本編に出てもおかしくない知名度もあったのに、なぜフィナーレに出てこなかったんだろう? もう疲れちゃって、最後までいられなかったのかな?

■ なぜ、この人はいなかった? ベット・ミドラー

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ベット・ミドラーも発見できなかった。かなり有名な女性ロックシンガーの草分けですよ。そして彼女は「オレ」に参加してコーラスもやってて、ライブエイドにも参加してる数少ない人なんですよ。本編ライブでも自分の歌の出番はもらえなくても、しっかりステージ司会もこなし、マドンナの前説で「ほんと生意気なコ」とか言って物議をかもしましたが、そこまで問題でもなかったし。テレビ生中継にも出てたのに、なんで最後フィナーレに残らなかったんだろう? よっぽど腹立ってたのかな? まあマドンナも残ってなかったけど。謎ですね! なんか知らないけど、呪われてる〜(むりやり)

■ では、次回予告! ライブエイド生中継のミステリー

ここまで読んだ方は「いったい当日の生中継って世界各国、各局どうなってたんだろ?」て気になりますよね。主催のボブ・ゲルドフも「これは壮大な歌番組なのだ」と思って企画した、と言ってるし。会場で行われたライブは実際、どの国でどのくらい電波に乗ったのか乗ってないのか。次回、徹底解明いたします!

2021年3月28日 かとうけんそう

■ ぼくより詳しい方がいらっしゃったら、間違いの訂正、情報提供、あらたな補足ください! いつでもフィードバックして、また文章を修正・追記します!

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