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【全文無料】ポケモンSV(VG)でPWCS参戦を目指したジュニアプレイヤーとその親の軌跡(2024シーズン・インターネット本選まで)

ポケモンは色んな楽しみ方がある素晴らしいコンテンツで、私も小さい頃から様々な形で充実したポケモンライフを送ってきました。
今回は、PWCS(ポケモンワールドチャンピオンシップス)を目指す、という、言わば“競技志向”でのポケモンにコミットした約1年間について、備忘録も兼ねて記していきたいと思います。
筆を執りました理由は、TCGと異なり、VGでPWCSを目指すジュニアに関する情報がインターネットやSNS上あまり見受けられず、僭越ながら、同じように困っている皆様の役に立てればと考えたからです。
読書をほとんどせずに歳を重ねてしまったので、読みづらいことがあるかもしれませんが、最後までお付き合いいただければと思います。


○登場人物の紹介

私…筆者で、子供たちの父親です。ポケモン赤緑世代なので、筋金入りのポケモン好きおじさんです。ダブルでの対戦経験はぼちぼち。ポケモンSVでは2000位弱が最高順位。ポケモンカード公認ジャッジ資格持ち。

長男…小学校高学年。上昇志向あり。反復練習が血肉になるタイプ。PWCSを目指した練習開始時点(2023年9月)まで、ダブルでの対戦経験0。

次男…小学校低学年。家ではお調子者だが外ではしっかり者。直感派で練習は好きではない。ダブルでの対戦経験は長男同様。

○競技ポケモン(VG:ビデオゲーム)を志向したきっかけ

ホノルルで開催されるPWCS2024に参加したい!と子どもたちが言い出したから、となります。

正確には、日本(横浜)での初開催となったPWCS2023のクロージングセレモニーにおいてPWCS2024の開催地がホノルルであることが発表され、2歳前に1度だけ訪れたことがある長男はもとより、海外旅行経験がない次男も「ハワイに行きたい!」と鼻息が荒くなった感じです。
どのご家庭においても、きっかけは些細なことなのかなと思います。

ちなみに、私がポケモンカードの公認ジャッジで、かつたまたまご縁をいただいて、PWCS2023のスタッフとして参加した(かつ、いかにPWCSが素晴らしい空間・経験だったかを伝えた)ことは、子どもの想いにブーストをかけたに違いはありません。

○PWCSを目指すことの実現可能性

日本からPWCSを目指すには、現在以下の4つの方法があります。

1) VG(ビデオゲーム)
2) TCG(いわゆるポケカ)
3) GO
4) ユナイト

この中で、ジュニア部門(ざっくり小学生以下)に門戸が開かれているのはVGとTCGの2つになります。
競技人口(≒参加可能大会等の延べ参加人数)から見たPWCS出場権利参加獲得割合は、私の以下のポストのとおりです。

完全に正確とは言えませんが、概ね1%前後ということで、狭き門であることに変わりはありません。

○なぜ競技ポケモンにVGを選択したのか

TCGもVGも、数字の上では、上位1%というボーダーを越えていく必要がありますが、以下の現実的な観点を重視して、VGを選択しました。

1) 費用があまりかからない
2) 親として行うサポートが少なくて済む
3) ガチ勢の割合はTCGより少ない(という読み)

1)の点はポストにも記載のとおりなのですが、完全にさらの状態から始めたとしても、

①ハード(Switch)を購入して(約4万円)
②ソフトを購入して(DLC込約1万円)
③Switchオンラインに加入して(約0.5万円)

くらいで済みます。インターネット環境が整っていない家庭はほぼないでしょうし、ほんまに6万円ポッキリくらいで全てが整います。大会参加に遠征の必要もない(後述)ため、交通費も0円です。

2)の点について、金銭的な部分もそうですが、遠征のための付き添いは必要がないし、練習もランクバトル(後述)でこなせるため、親の伴走はほとんどなくても問題ありません。
バトルに必要なポケモンの育成も、世代を経るごとに容易になってきたため、1体あたり5分もかかりません(6体で20-30分もあれば済む)。いわゆる対戦環境の変化に応じたチューニングも簡単なので、デッキという現物があるTCGより、時間というリソースを割かなくて済みます。

3)の点は、定量性がない話になりますが、インターネットの海からすくい上げた情報等を鑑みると、確からしいと考えています。すなわち、数字の上では1%で同じでも、実際に倒していくべき強敵はTCGより少ない(≒後述の本戦のみガチればよいと思っても言い過ぎではない)です。

○VGにおいて超えるべきハードル(予選・本戦)について

VGでは、

① 3回開かれるインターネット予選のいずれかで各部門150位以内に入り
②インターネット予選を通過した上位450名で争うインターネット本戦を通過(64位以内)し
③    PJCS(ポケモンジャパンチャンピオンシップス、ライブ大会)へ参加すること

のハードルを越えていくことで、PWCSの参加権利が獲得できます(※2024シーズンの場合)。よほどの事情がない限り、②を通過した人は③に進むため、実際のハードルは①と②のみとなります。

ジュニア部門は、マスター部門やシニア部門と異なり、インターネット予選は回を追うごとにボーダー(上位150位以内)を超えやすい傾向があります。
2024年の第3回予選では、レートが1530台(勝ち負けの差が+3程度)でも上位150位以内に入れたジュニアがいることをX上で観測したため、第1回・第2回予選で通過できなくても、諦めずにバトルを継続すること(勝ちを積み重ねること)が肝要です。
インターネット本戦については一回きりなので、予選よりもプレッシャーがかかることは間違いないです。一方で、ジュニア部門の通過レートのボーダーはマスター・シニアと比較すると1-2勝分は低い傾向にあります。

※2024シーズンの本選は、2023シーズンにWCSへ行けたジュニアプレイヤーでも通過できていないようで、この数年の中で比較的レベル高い争いであった模様

○PWCSを目指すために行なった取り組み(親ver)

親の役割はサポートのひと言につきます。私の場合ほとんどの時間は、情報収集とポケモン捕獲・育成を充てました。それ以外の時間は、子どもたちへのチアアップになります。今でこそだいぶ理解が進みましたが、2人の息子は、『レベル100ポケモンつえーかっこいいー!!』というタイプだったので、育成を任せる、ということはできませんでした。
”競技志向”ポケモンだからこそ、勝てそうな構築を使ってもらうことを意識しているため、使いたいポケモンについては息子たちの意見をほぼ採用しなかったのは、私のこだわりです。(親のエゴ、という誹りも免れないとは思います)

では、具体的にどのようなことをしたかというと、

情報収集→ランクバトルに自身も参加して使用率の高いポケモン・構築を把握する。ポケモンHOMEも随時参照する。

ポケモンの捕獲・構築→他人産ポケモンは改造の可能性を排除できないため、親アカウントも含めて周回も辞さない。構築は、情報収集結果と息子のタイプを総合して行う。

チアアップ→(レギュレーションF以降)ひと月にランクバトルは50戦以上やりなさい!!と発破をかける。

という内容です。おそらく拍子抜けするくらい普通のことしかしていませんが、これ以上は踏み込みようがないと考えています。

○PWCSを目指すために行なった取り組み(子どもver)

冒頭の自己紹介に記載のとおり、2人の息子はどちらもダブルバトルの対戦経験値が0の状態からスタートでした。したがって、

①ダブルバトルという対戦形式に慣れるフェーズ
②息子の性分に合ったパーティを模索するフェーズ
③自分に合ったパーティで腕を磨くフェーズ

と段階分けを意識して、対戦経験を積ませることとしました。

①のフェーズはレギュレーションD・Eの間(2023年9月~2023年12月)の約4か月、②のフェーズは予選・本選のレギュレーションであるレギュレーションFになってから(2024年1月~)のうち1か月半、③のフェーズはその後2か月、期間を取りました。この期間については、お子さんの様子を見ながらチューニングすべき項目と考えます。

なお、『数字(試行回数)こそパワー』が私の信条のひとつであるため、②のフェーズの途中からは、毎月50~100戦バトルすることを言いつけました。性格上、次男は毎回達成できるわけではなかったですが、長男は愚直に取り組んでいました。

上記のとおり進めたことに戦略上、ほぼ不備はありませんでしたが、次男は自分に合ったデッキを結局見つけられず、手になじませる時間を長男ほどは取れなかったことが、後述の結果の差に繋がってしまったと反省しています。

○実際の戦績

息子たちは、見事に第1回インターネット予選(2024年2月頭開催)で本選進出を獲得しました。ジュニア・シニアが同じカテゴリーで対戦するかつ外国人も参戦できる大会であるため、順位はそれぞれ300位台半ば(次男)、600位より上(長男)ですが、ボーダーからは余裕がある形で上がれました。

その後の第2回、第3回インターネット予選にも参加しましたが、ジュニアでの上位150位以内には入ってそうな順位でした。(すでに本選へ抜けているプレイヤーは除外して判定されるため複数回参加の悪影響はありません)

そして2024年4月21日(日)に開催されたインターネット本選ですが、長男が見事に48位入賞、次男は89位という結果でした。(ポストのリンクは長男に関するもの)

序盤10戦は次男の調子がよかったのですが(冒頭6連勝)、自身より低レートの相手との対戦がほとんどで、勝ち数ほどレートが伸びず、最終20戦目まで行いましたが、仮に勝っても64位入賞が厳しい状況でした。

一方、長男はその逆でしたが、どの段階でも負け越すことなく、勝てば上がりほぼ確定、負ければ残った3戦中2勝しなければならなくなるという、大変プレッシャーのかかる最終バトル(17戦目)において、丁寧なプレイを心がけてゴールドラッシュの猛攻を押し付け勝てたようで、積み重ねた練習の差が出たと感じました。

○ポケモンSV(VG)でPWCSを目指すうえで困ったこと

最も困ったことは予選や本選におけるボーダー読みに関する情報が落ちていないこと、次に困ったことは、冒頭にも記したとおり、『どのように息子たちを鍛えていけばいいかのノウハウが落ちていないこと』でした。

ボーダー読みについては、秘匿すべき情報なので致し方ないかとは思いますが、暗中模索状態でかなり不安ではありました。変に対戦を重ねて、負けが込む状態にするのもよくないし、早く撤退しすぎてもレート足りないし…という心配事の堂々巡りです。今回記事内で共有した第1回予選の通過レートはぜひご参照ください。

TCGは子どもたちにいかに練習させているか、のような情報が少なくないのですが、VGの方ではからっきしでした。今回ご紹介した私のノウハウは独自のものですが、特に未経験または経験の浅い方にとっては参考にしていただける内容と考えております。

最後にパーティ構築に関しては、あふれるほど多くの情報がありますので、情報の入手に困ることはないと思います。

○あとがき

もう少し端的にまとめ上げられればと思っていましたが、思いのほか文字数が多くなってしまいました。

記事の最初に書いたとおり、これだけ色んな情報が容易に入手できるにもかかわらず、VGでPWCSを目指すジュニアに関わるものがなかったことが、本記事公開の動機でございます。

私自身の経験を踏まえ、様々な項目に分けてまとめましたので、少しでも多くの皆様の参考になれば幸いです。

本記事の公開にあたりお値段の設定をさせていただきましたが、もし投げ銭いただけましたら、長男がハワイに連れていく相棒のぬいぐるみなどの購入に充てさせていただきたいと思います!

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