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リバティタワーが消えた日

2007年2月8日朝9時30分-

神保町の街を半分、いや、ほとんど泣きながら、彼女は走っていた。

数か月前に模試で訪れたとき、神保町の駅を出てすこし目線を上げれば、目指すべきリバティタワーは確かにあったのだ。

なのに……


見たことのない商店街にたどり着いた。

周りにリバティタワーはおろか、ビルさえ見えない。

右手には、パカパカとした二つ折り携帯の時代。Googleマップなどインストールされているわけもなく、「ここはどこだ?」と泣きわめくように、走り出した。

根拠なき自信が崩れる

忘れもしない、試験開始5分前にたどり着いた、明治大学情報コミュニケーション学部の受験日の出来事です。
リバティタワーは、トランプタワーではなく、明治大学のキャンパスです。
当時、高校三年生の私は、早稲田大学を第一志望としつつも、明治大学もD判定。偏差値も50をちょっと超えるくらい。

なのに、なぜか当時は「自分は割とラッキーガール」「明治くらいは(失礼)受かるだろう」と楽観視。全然実力もなく、勉強が間に合っていなかったのに、根拠なく自信をもっていました。

リバティタワーで、何とか受験できたものの、結果は不合格。
後の早稲田も教育学部、社会科学部と2学部受けて不合格。
大学生を夢見て、浪人することになりました。

大学を”自由の象徴”だと仮定すると、リバティタワーが見えなかったのは、もしかしたら不合格の暗示だったのかもしれません。
その経験から得た学びについて、すこしお話します。

受験は準備がすべて

心臓バクバクでたどり着いて受けた試験会場ー冬場で、暖房はガンガン。
汗をだらだらかきながら、解答用紙に向かいました。
実力が出せるコンディションではありません。
もっとも、私の場合は、リバティタワーに余裕でたどり着いたとしても、結果は変わらなかったと思います。

それでも、受験当日のコンディションは、時に試験結果を左右すると思います。
・体調が悪い
・会場に行くのに迷う
・電車が遅れる
・忘れ物をする
……

こうしたリスクを減らす方法は、ただ一つ。
用心して準備をするだけです。
・しっかり食べて、しっかり寝て、免疫を高める
・会場を下見に行く、地図でイメージする
・早めに出発する、代わりの交通手段を調べておく
・前日に準備をして寝る
……

当たり前のことですが、できていないと足をすくわれます。
リバティタワーが消えたり、大隈銅像が消えたり、赤門の色が変わったり、するかもしれません。

リバティタワーは、「一度行ったから」と、下見にも行かず、地図もちゃんと見ていませんでした。以降の試験では、下見をする、できない場合は1時間以上余裕をもって出発するようにしました。
この準備不足による失敗経験は、社会人十何年目になったいまも、活きています。

人事を尽くして天命を待つ

改めて、当日のコンディションも勉強も、自分ができる努力をやりきれば、絶対に良い風が吹くと思います。

情報収集を忘れずに、でも落ち着いて……

受験生のみなさん、支えているご家族、応援しております!

おまけ

そして、やけくそになった彼女は、新宿のアルタへ寄り道し、変なマスクを買った。

今でこそマスクで個性を出す時代ですが、2007年の時代になぜ……。

Written by 元スタッフM(女性)



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