20歳の学生に何を伝えるかを学んだ。立花隆の本より
年末年始の休みは1週間ほどあり、さまざまなジャンルの本を読み漁りました。普段はまったく読まない小説にまで手を出してしまい、おもしろいのは分かったが、どうにもこの類の読書の時間の使い方がもったいない気がして、私にはあまり向かないと改めて感じたものです。
ちなみに読んだ小説は『三体』。「アメトーーク!」でカズレーザーさんらが絶賛していた本で、宇宙から宇宙人が攻めてくる設定ではベスト1らしく、その通りだとは思っています(まだ1巻しか読んでません。計5巻もあります)。数学や物理学の素養があれば、完全にはまってしまうでしょう。
ノンフィクションで読んだ中では、昨年亡くなった「知の巨人」立花隆さんの『東大生と語り尽くした6時間 立花隆の最終講義』が最も感銘を受けました。タイトル通り、人生の大先輩である立花さんが学生に向かって、気迫のこもった、そして膨大な知に裏打ちされた言葉の数々を発しており、なるほどと唸りまくりながら読みました。例えば、こんな一節があります。
「陶冶」とは、陶器をつくる過程で、土がひねくり回されたり、こねくり回されたりすることです。それを若いうちにやっておけ、と立花さんは説きます。それを人間関係で経験しておくのは学生のうちしかありません。私も大学で普段から学生と接している中で、そういうことを伝えられたらなと学びました。
そして読書もそうです。立花さんは「本とか思想とかものの見方、感じ方にかかわることについては、若いときに、できるだけ乱読・乱接触するべきです。可能な限り、浮気に浮気を重ねるべきです」と述べています。
ちなみに、立花さんはこの本の中で「小説はくだらないと思うようになった」「文学の世界は映画の世界に完全に負けている」と話しています。そこまで断定できませんが、映画好きで小説食わず嫌いの私も同様の感覚を大学卒業以来、持っていました。
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