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ナッジ

様々な領域でナッジ理論が活用されるようになっています。
ナッジは「ひじで軽く突く」「そっと後押しする」という意味の英語です。
人の行動を予測し、それに対して狙った影響を与えるような仕組みを作ることを指します。私は最近この概念を知りました。
ナッジは1990年頃から急速に発達した行動経済学の中でリチャード・セイラーにより提案されました。
医療の範囲内では、患者さん本人が望ましい選択肢を選びやすいように活用され出しています。意図せずに持ってしまっている自身の中にあるバイアスに影響を受け、不利益を被るのを防ぐ目的です。
例として

  • デフォルトの選択肢を意図したものにする

脳死後の臓器提供を”する”方の選択肢を上2つに表記し、
選択することが不自然なことではないことを示唆する
  • 他人の選択に関する情報を添える

他の方(この場合有名な方)がワクチン接種を選んだことを伝えるにより、ワクチン接種のメリットを強調する
  • 治療・検査を選ばなかった際のリスクを強調する

抗体検査をしないと多大な悪影響がある可能性を強調する

などがあります。実際にこれらに似たものを目にされたこともあると思います。これらを見ると、自分の選択に少し方向づけをされる感覚があるのではないでしょうか。
ついつい今現在満たされることが大事、今のまま変わらないことが良い、行動するのは先で良いと思ってしまう人間の性により受けうる不利益を緩やかに方向修正してくれる手段として良い概念だと感じました。
ただし、注意しないといけないなと感じたことは、過大広告や勘違いを誘発するようなもので、こちらの狙った選択肢に無理やり誘導するのは許されないということです。あくまで情報そのもの、もしくは情報の伝え方を工夫して、選ぶ方に適正な選択をしていただくことが目的で、当たり前かもしれませんが、それをこちらの利益のために悪用してはならないということはその都度意識しないといけないと思います。

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