別れ、そして新しい世界へ

長年人生を共に歩んできた相棒へ。
もはや君は、僕の体の一部と言ってもよいぐらいの存在になっていたね。
時々ひどいこともした。よく君がいなくなることもあった。僕は必死で探したりしたよね。
そんな君とも、ちょっとの間、お別れしようと思う。
きっと近い将来、また一緒になれるよ。その時はよろしくね。
－今までありがとう－

始めましての方もそうでない方もこんにちは。けんえすと申します。
普段は麻雀・クイズ・やきう・謎解き等を中心に遊んでおります。
「かみやパパからはじまるAdvent Calendar2021」（https://adventar.org/calendars/6903）ということで、例年は皆様の文章を楽しく読ませていただいておりましたが、
今回のテーマが「今年課金して良かったあんなモノ・こんなコト」ということで、ちょうど何かのタイミングで書き残しておきたかった事柄とマッチしたので、初参加させていただくことにいたしました。
拙い上にだらだらと長い文章になってしまいましたが、お時間のある時にでも目を通して頂ければ幸いです。（読了目安：約15分）

1章　前説

さて、皆様。
昨年より世界中を流行り病が覆い、普段の生活様式もガラリと変わってしまいましたね。
そんな中皆様において窮屈に感じたり不満に感じたりすることは何でしょうか。

楽しみにしていたイベントの中止？

大好きなあの人と対面で合う機会が減ったこと？

宴会の自粛？

どれもわかります。
我慢を強いられる生活は大変窮屈に感じておりました。

そんな中、私が非常に不満に感じていたことが、

「マスク着用が当たり前の社会になったこと」

なのです。

マスクをしたまま生活する上で私が一番困ったのは「眼鏡が曇る」ことです。
世の中には「眼鏡が曇らないマスク！」なんて謳っている商品もありますが、大概のものはそう上手くはいかないです。
鼻のところに針金が入っている程度では私の顔の力強さに耐えられないのです。
また使い捨てのものにそこまで良い物を使いたいという気持ちも沸かないのです。
買い忘れたりすると致命傷になるというのも、ワールドレベルのめんどくさがりの私にとっては耐えられないのでした。
「仕事中にマスクをしなさい」程度なら良いです。仕事が出来なきゃしなければ良いのですから。
しかし「車の運転中にマスクをしなさい」なんて言われたらもうこれは死の宣告です。カウント30を待たずに死神に連れていかれることでしょう。
（実際上記二つは職場で出た御触れです。対して守っていませんが）

最近はワクチン接種も広まり、少しずつ以前の生活を取り戻せている部分もあります。
ですがマスク着用はこれからスタンダードになっていくのかもしれない、とも感じたのです。

ではどうしましょう。
コンタクトにしましょうか。
しかし、以前コンタクトを使用していた経験もあるのですが、
そもそも私、「水の中で目を開けられない」レベルの人間なのです。
コンタクトも毎回必死の形相で入れていました。
（最初は両目で1時間ぐらいかかっていました）
加えて前述の通り五輪メダリスト級の面倒くさがり。
更に世界選抜クラスに朝に弱いマン。
毎朝コンタクトを入れる時間があったら数十秒でも寝ていたいのです。
よって、これはベストな選択とは思えませんでした。

そこで以前から興味だけは抱いていた「視力矯正手術」に踏み切ることを決断したのです。

クソ長い前置き、終わり。

2章　おれは近眼をやめるぞ！ジョジョーーッ！！

さて、面倒くさいことを嫌った結果手術を決断したわけですが。
流石に目のことだし、ノリでやっちゃう気にはなれないので、手術の内容やら金額やらについての情報を漁る作業に入ります。
ネガティブな情報もいっぱい集めました。
こういう時間は面倒とは感じないんですよね。
家電量販店とかは買うまでの時間が一番楽しいと思うタイプなんですね。

一般に「視力矯正手術」といえば「レーシック」を想像する方が多いと思います。
私ももちろんその一人です。
レーシックとは、簡単に言うと「目の表面にある角膜を削って屈折率を変えて、視力を矯正する」手術になります。
手術の内容と金額もピンキリで、安いものだと一桁万円、一番良い物は100万近くするようです。
どうやら一般に多いのは2～30万程の施術のようです。
私もこれに目星を付けておりました。

また色々調べると「ICL」という手術も最近は普及してきているようでした。
有名人では指原莉乃さん、きゃりーぱみゅぱみゅさん、宇垣美里さんなどがこの手術をしているみたいです。みんな可愛いですね。
ICLとは「有水晶体眼内レンズ」のことで、その名の通り、目の中にコンタクトのようなものを埋め込む手術です。
この手術の利点は「可逆性があること」つまり合わなかったり、将来何かあったりしたときに、レンズの取り外しが出来る点にあります。
またレーシックと比べると、近視の戻りが少ないことも利点に挙げられるようです。
お値段は大体50～60万程度とのこと。
こちらも少しだけ視野に入れておきましょう。可愛い有名人の仲間入り出来るかもしれませんからね。

さてさて、ある程度検討したところで、実際に眼科に行き検査をしてもらうことにしました。
現在の視力検査、矯正後の視力についての相談、現在異常がないか、角膜の厚さetc...
最後に眼科医との面談になり、どのような手術が良いかなどを相談することに。

「うーん、レーシックはお勧め出来ないねぇ」

ﾇｯ!?!?!?

3章　がんばれけんえす　きらきら道中～僕がICLを選んだ理由～

なんとおっしゃいましたか？レーシック出来ない？？
あーあーそりゃ私が「ICLも興味ある」って言いましたもんねぇ。
高額な施術の方がおいしいですもんねぇ。
と思ったかどうかはさておき、ここでレーシックに適さない人についての話を書かせていただきます。
前述の通りレーシックは角膜を削る手術なのですが、矯正の度合いが強い人、
言い換えると「元の視力が低すぎる」場合、角膜の削る量が増えるのです。
また、乱視の人の場合も角膜を削る量が増えるとのこと。

視力矯正の度合いは数値で表されます。
コンタクトを使用している方はパッケージに「-2.50」とかいう標記を見たことがあると思うのですが、これが矯正の度合いになります。
これは乱視も同じく数値化されているのですが、この数値が近視と乱視合わせて「-10.0」を超える人はそもそもレーシックの手術を受けることが出来ないとのことです。

私の結果は「近視-6.00、乱視-3.75」でした。
うーん、土俵際！！

一応手術可能内にはギリギリ入っているのですが、角膜を削る量が増えると当然強度が下がり、
また術後も視力が戻ってしまいやすい等、リスクも大きいとのこと。

専門家にそこまで言われては仕方ありませんね。高額だろうが、大人しく従うことにしましょう。
社畜の鑑ですね。
反抗する相手は某有名ゲーム配信者だけでよいのです。

というわけでICL手術をすることに決めました。これでけんえすも可愛い有名人の仲間入りです。
手術前に数回行う点眼やら、術後の定期健診やら、当日の説明やら、術後に起こる現象やらについて説明を受けますが、
新しい世界が見えるようになるワクワクとドキドキ、そして一つの懸念材料が頭を支配して対して頭に入りません。
資料を貰ったので後で詳しく確認することにしましょう。

そうして私は幾度となく懸念事項について尋ねるのでした。

「痛い？ねぇ痛い？？ほんとに痛くない？？？？？？」

4章　executor

executor
【＠】イグゼキュタ（ァ）、エグゼキュタ（ァ）、【変化】《複》executors、【分節】ex・ec・u・tor
【名】1.執行者◆【略】exec. ; exr.
2.《法律》遺言執行人◆【略】exec. ; exr.
（参考：英辞郎 on the WEB）

手術は2月の末日に行うことになりました。
この時期、マスクが無くても眼鏡の人は屋外から室内に入るだけでハンデを一つ背負っているんですよ。
その煩わしさともお別れ！やると決めてからは楽しみが大部分を占めていました。
しかしやっぱり手術そのものはちょっと怖い。
何しろ話を聞く前は「手術中は眠りについて、目が覚めると新たな世界が広がっている」という幻想を抱いていたのです。
しかし実際は点眼による部分麻酔のみ。意識あり。こっわ。
欧米では歯の治療にも全身麻酔を使ったりする場合があるとか。
手術の時だけは欧米人になりたかったです。人種変えても日本で手術受けたら同じなんですが。

さて、点眼による部分麻酔なのは聞きましたが、そもそもレンズを入れるという手術内容は把握しているものの、具体的にどう行うかは教えてくれません。
聞いたら教えてくれたのでしょう。
しかし聞いたところで施術内容が変わるわけでもないし、ならこっちも何でもこいの体制で受け入れようではありませんか。

眼科医VSけんえすの右眼　ﾌｧｲｯ!!!

まず椅子に座ります。

手術中に目を閉じないように、テープで瞼を固定します。ﾇｯ!

目を閉じられないようにして消毒液ｼﾞｬﾊﾞｰ　目が！目があぁぁぁぁ！！！！！

レーザーで目の横にレンズ挿入用の穴を開けます。　え、今なんかやってる？

レンズを穴からぐりぐり押し込みます。ちょｗｗｗ物理ｗｗｗｗｗｗ

「入らないので抵抗するように目を動かしてくださーい！」　それ俺がやんのかよｗｗｗｗｗｗ

「入りましたー」消毒液ｼﾞｬﾊﾞｰ　目が！目があぁぁぁぁぁ！！！！！

バトル終了。ﾃﾃﾃﾃｰｰｰﾃｰｰｰﾃｰｰｰﾃｯﾃﾃｰｰｰｰ

正直、痛いか痛くないかで言えば対して痛くないです。
なんかカッコいい機械みたいな物でレンズを入れるのかと思ったので、思いのほか力業だったのは驚きましたがｗ
眼球を押されている方に目を向けようとすると意外とすんなり入ったので難しいことはありませんでした。
ただ、先に述べた通り、私は水の中で目が開けられないオトコ。
予告なしに消毒液を投入されたときは新手の拷問かと思いました。
気高き女騎士であれば「くっ・・・殺せ！」と言っているところでしょう。

しかしこれで長かった（多分5分ぐらい）戦争も終わりです。
麻酔と消毒液でまだぼやけていますが、これが落ち着いたころには新しい世界が広がっていることでしょう。

「じゃ左目やりますねー」

くっ・・・殺せ！！！

5章　Hello,world
※この項は特に視力矯正に興味のある方は参考にしていただけたらと思います。

心まではギリギリ屈しなかった毛深き戦士けんえす、無事生還です。
数十分の経過観察の後、この日は終了です。
この後は1週間防護メガネを着用、何種類か点眼、就寝時に目をこすらないようカバーで覆って寝る、
1か月は激しい運動を控える、などを経て、完全体へと進化を遂げます。

それではここで、術後に実際に起こった・起こると考えられる個人的なメリット・デメリットをまとめてみることにします。
クソ長い文章に付き合ってられんという方はぶっちゃけここだけ読んでくれれば良いと思います。

メリット

・単純に視力が良くなった
手術前は裸眼で0.01、使用していた眼鏡で0.8ぐらいだったのですが、どうせ手術するならと魔改造してもらい、1.2まで見えるようになりました。
どうせなら5.0ぐらいまで魔改造しても良かったのに。（だいたい1.5前後ぐらいに調整されます）

・朝起きた瞬間から全てが見える
昔から何かしながらでないと眠りにつけない体質なんですが、以前はよく眼鏡をかけたまま寝てしまい、朝起きたらなぜか背中の下にあるみたいなことが多々ありました。
眼鏡のつるも何回か折っています。
これからはテレビやらようつべやら見ながら寝落ちしても何の問題もなくｎ・・・( ˘ω˘)ｽﾔｧ

・マスクをしていても視界が曇らない！
大勝利

・屋外から室内に移動しても視界が曇らない！
大勝利

・温泉が怖くない
まぁ元から温泉行っても眼鏡かけてたんですけどね。

・メガネの娘とキスするのにぶつからない
知的で大人しめな雰囲気の眼鏡美人の方、お待ちしております。

・白内障などの手術が問題なく行える
これ、手術の際にも言われるんですけど、白内障の手術ってＩＣＬの手術と全く同じことをするんですって。
レンズを入れ替えることが出来るので、問題なく手術を行えるそうです。
（レーシックだとすんなりは出来ないような話だったと思います）

デメリット

・術後しばらく視力が安定しない
個人差はあると思いますが、私の場合は至近距離が全然見えない、老眼のような状態がしばらく続きました。
1週間後の経過観察では「そのうち問題なくなります」と言われましたがそのうちっていつやねん！！としばらくは不安でした。
結果的には生活に支障ないレベルではありますが問題なくなりました。
今身の回りにちょうどあったので試してみたのですが、自販機サイズの綾鷹のペットボトルの文字はとりあえずギリギリ読めました。
※レンズを入れるということは焦点をずらすということなので、遠くを見えるようにした分至近距離は見えにくくなるようです。って言われたけど合ってる？

・目が乾きやすい
私はそこまで感じませんが、ドライアイの症状が出る人はいるようです。目薬は99個買っておきましょう。

・ハロー・グレア現象
私がＩＣＬ手術を人に100％はお勧め出来ない唯一にして最大の理由がこれです。
最近のＩＣＬ手術で用いられるレンズは内部に空気や水が溜まらないように中心に微細な穴が開いているそうなのですが、この穴のせいで
特に暗い場所で照明などの光源を見ると環状の光が見えるようになります。
これが光源との距離が変わると環状の光も大きくなったり小さくなったりするわけです。
光が「水滴波紋」のように見えるわけです。わかりやすく言えばはごろもフーズです。
事前説明の際の「術後に起こる現象」のところでこの説明もされるのですが、「ほとんどの人は気にならないと思います」と言われます。
ハッキリ言って大嘘です。
普段の生活では対して気にならないとは思うのですが、一番問題なのは夜間の運転です。
対向車がみんなライトを点けて走ってるんですよ。
暗い中を数えきれない光源が移動しているわけですよ。
グラディウスのモアイが出す輪っか状の光線（とあるクイズ番組に出演した時に知ったのですが、モアイの攻撃「イオンリング」っていうらしいですね！ためになった・・・のかなぁ～？）が大量に押し寄せてくるステージを想起させる、文字通り波状攻撃です。
気にならない人はいないと思います。特に神経質な人はキツいと思います。
私は「こまけぇこたぁいいんだよ」の精神の持ち主なのでなんとかなっています。それでもたまに気になるけど。
※見えづらくなるというわけではないので殆ど実害はないです。ただひたすら気になるかどうかだと思います。

・クレジットの明細を見るのが怖い
レーシックに比べて高価なのは前述のとおりですが、ＩＣＬは施術メニューがほぼ1種類で、金額の差は乱視用レンズかどうかだけのようです。
つまり乱視-3.75をマークしたけんえすさんはそういうことです。
ニ〇クンと同じ色の（厳密には全く同じ色ではない）中古の軽自動車が買える程度にはかかりました。

・あの人、誰？
この間の結婚式、即時にけんえすだって分かった人3人ぐらいしかいない説

というわけで良い点悪い点をまとめました。
悪い点も色々書きましたが、個人的には手術を行ってとてもよかったと思っております。
長年抱えてきた日々の煩わしさ（眼鏡をしている時は煩わしさと意識していないことが大部分ですが）が相当量解消されました。

大きな病気をしたというわけではありません。
生きてく上で絶対必要であった手術ではありません。
それでも、幼少期から当たり前だと思っていた景色が、見たことのないものに変わったというのは、至高の体験でした。

近い将来、老眼などでまた眼鏡のお世話になる日がくるでしょう。
今までありがとう。しばしお別れです。

そしてこんにちは。－新しい世界－

といったわけで私の「今年課金してよかった物」のお話でした。
次は歯か肌か髪の改造手術に興味を持っています。
「科学ノ進歩ニ犠牲ハ付キ物デース」にならないことを願いつつ、
2045年には草薙素子になることを目指すことにいたします。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
明日は草薙素子より可愛いと噂のつげちゃんさんの登場です。