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スティックの話①

最近スティックを変えた。
ドラムを叩くときに振っている棒だ。
なんだ棒っこを変えたくらいか、と思うでしょ?
これが意外と奥が深いのだ。

まず僕個人で言うとThe Spoofを始めるまでは
スティックにあまりこだわりがなかった。
いや、正確に言うと「スペック」にこだわりがなかったのだ。
完全に「見た目」と「好きなミュージシャンが使用してたから」という理由でしかスティックを選んでこなかった。
ちなみにPROMARKというメーカー。
↓これね

ProMarkというメーカー



この真ん中にラインが入っているのが格好良い!
このデザインは今でも格好いいと思ってるヨ。


20代の頃は所謂一番ベーシックな標準モデルを使っていた。
5Aナチュラルというシリーズ。
木材はヒッコリー。
なんでこれにしてたかというとベーシックモデルなので、大体のどこの楽器屋に置いてていつでも買えたから。
あと重くも太くもなかったこともあり、疲れたりしないし連打とかしやすいと思っていた。
ちなみにナチュラルというシリーズはスティックの表面をやすりで削って仕上げたもので、汗をかいてもスティックが吸ってくれてグリップしやすく作られている。
僕は演奏中に手汗をかきやすいので重宝した。
通常のコーティングで仕上がったスティックは手汗で滑って演奏中によく吹っ飛ばしてたから相性が悪かった。

しかし20代の中盤頃に5Bナチュラルという少し太めのシリーズを間違って買ってしまった。
さすがにこの頃にはスティックの違いがある程度わかるようになっていたこともあり
「重い、太い」と瞬間的にわかり、光の速さで使わなくなった。
以後、スティックケースの奥で新品同様のまま眠ることになる。

しばらく楽器から離れた期間はあったものの
30代になってしばらくしてからThe Spoofをはじめる。
久々にやるときも5Aナチュラルのスティックでドラムを再開した。
しかしブランク期間でスティックを全然買い足していなかったので晩酌をしながら追加分をネットで注文した。
そしたら間違えた。
5Aのコーティング仕上げのスティックを買ったのだ。
酒飲みながらのネットショッピング危険。
手元に届いたときに気付いたが、ネットで買ったから返品交換も面倒だからしぶしぶ使うことにした。

これが意外なことにハマったのだ。
僕の技術が変化したからなのか
コーティング剤が進化したのか
はたまた加齢で僕の手汗量が減ったのか
よくわからないがなぜかハマった。
とても使いやすい。
もうこれでいいじゃん、となった。
以後、2つの配信シングル、1stアルバムと5Aコーティングでプレイした。
その間にたくさんライブもした。
なーんの疑問もなく使ってた。

そしてある時、YouTubeでよく見るドラマーさんが自分の使用しているスティックを紹介している動画がアップされていた。
足元にも及ばないが、こんなプレイ出来たら気持ちいいだろうなーと憧れる魅力的なドラマーさんだ。
手数も多く、トリッキーなプレイも多いし
軽めのスティックで演奏してるんだろうと思ってた。
しかし紹介していたのは5B。
え、マジ?
重たいし太いのにあんなにぶん回してるの?
軽くカルチャーショックを受けた。

その動画を見ていくとそのドラマーさんもメーカーは違えど以前は標準的なスペックのスティックを使っていたらしい。
しかしその彼も過去に仲のいい海外のゴスペル系ドラマー達のプレイを見てて「この音の説得力はなんなのか」と思って彼らに尋ねたらスティックが太めのドラマーが多かったとのこと。
え、そうなの?
詳細は割愛するが、結局その彼もそれをきっかけにサイズを変えた。
今は5Bの方が音量もプレイも満足してるとのことだった。

何気なく見た動画で完全に価値観が変わったのである。
しかもなんか妙な説得力があった。
5Bかー
そういえば随分前に間違って買ったn



!!



すぐにスティックケースを確認した。
ちょっと変色してたけど7、8年前に間違って買った5Bがいた。
おおお。
随分前の僕がすぐに戦力外通告したというのに
ここで再会したのは何かの縁があるに違いない(大袈裟)
思い切って5Bを使って見ることにした。

長くなったので続きます笑

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