あなたのメインシステムは?〜資本主義のサブシステム化と幸福の行方〜
幸福に関する価値観が揺らいでいます。ゆえに、幸福学なるものがとても人気の講座になってます。
https://gigazine.net/news/20180402-yale-university-well-being-class/
————————
誰もが「幸せになりたい」と願っているはずですが、ではどうしたら幸せになれるのかという方法を見つけるのは難しいもの。名門大学の大学生たちも同じ悩みを抱えているのか、アメリカの名門イェール大学では、「よい人生の科学」という講義が大変な人気を集めています。
Overview - Introduction | Coursera
https://www.coursera.org/learn/the-science-of-well-being/lecture/1SQxW/overview
「よい人生の科学」の講義を行っているのは、イェール大学に勤めるローリー・サントス教授。週2回の講義が行われるホールには、1200人ほどの学生が講義を受講しているとのことで、実に全学部生のうち4分の1がサントス教授の講義を受けている計算になります。
————————
日本においても、急速に幸福を問い直す流れが普及しています。これは、テクノロジーの進化によるビジネスや生活の効率化の反作用でしょう。どんどん効率的にどんどん便利になっていることは実感できるに関わらず、どんどん幸せにはなっていないこともまた自覚できる。何かおかしい。「あれ、便利は良いことだが、幸福と関係がないのでは?」という人が増えている証拠でしょう。物質的欠乏は少なくなったが、足りないのはむしろ
・時間(心の余裕)
・スペース(自然)
・豊かな人間関係(愛)
など経営学ではモデルの外、外部経済(つまりモデルの外)としてきたものです。私たちは自分の幸福にとって大切なものをモデルの外としているゲームに知らないうちに参加させられていたのです。もちろん、お金は大切です。
しかし、むしろ、
「お金大切だよね?だって、食べてかなきゃいけないでしょ?だったら資本主義に参加するしかないよね?まさか、社会主義者?そんなわけないでしょ? 資本主義はこういうルールで行われてるよ。あなたがそのルールに口を挟む権利は流石にないよね。それくらいわかるでしょ?ま、決まりだらかあえていうけど、あなたの幸福とかはモデルの外になってるから。まあ、これは一応聞いといて。伝えておかなきゃいけないルールだから。OK?もちろん、お金は払うよ。もちろん!じゃはじめようか。」
うん。まずい感じですね。笑
流石にこうは言われませんが、概ねこんな感じでしょう。大学を卒業するまでに、こうしたことに対する準備をしなければならないのかもしれませんが、多くの人が十分な準備ができないまま、社会人としてゲームに参加させられてきたように思います。今は、若い世代ほど、その欺瞞に気づきはじめているということかもしれません。(ちなみに、WaLaの哲学には、気候変動問題で有名になったグレタさんらと同様の活動をしている日本の高校生の代表も来ていただいてます!「意識が高い!意識高すぎ高杉くん!」30代のビジネスマンが負けそうです!)
少し戦後の歴史を分析して見ると、
1)1945~1956
1956年、経済企画庁は経済白書「日本経済の成長と近代化」の結びで「もはや戦後ではない」と記述。
2)1957年〜1989年
高度成長から冷戦終結
3)1990年〜2010年代
情報革命の進化。(日本は失われた30年と言われてます。)
資本主義の絶対化(メインシステム化。重要ですが、ここが見落とされてるかもしれません。冷戦終結に伴い、資本主義が絶対化されました。)
4)2020年代〜 メインシステムである資本主義の再定義による、世界観の一新となるでしょうか?
40代以上の方は上記2)の後半に幼少期から思春期を過ごします。なので、その世代は意識的に、2段階意識をバージョンアップしない限り、人生100年時代、若い世代が中心に見られる考え方とずれてきていると考えた方がいいでしょう。万が一周りは自分と同じだから安心と考えるなら周囲も含めて危機意識を持った方が良いかと思います。そうした感受性の低さそのものが問題の原因となるタイミングにきています。
20代〜30代で、上記3)に育った人は、情報化社会の中に生きるのは当たり前。しかし、そこを土台にその海の中に幸福のなさ(終わりのない虚しさ)に気づいた人が陸に上がるための進化なのか、次のアクションを始めてます。これは、情報化が先進国のみならず、世界同時の動きであったため世界共通の動きになるでしょう。もちろん、年齢は平均的に捉えた話で、進んでいる人、遅れている人はどの世代にもいます。
情報化、エネルギー革命は、限界費用ゼロ社会に社会を近づけます。そうすると物質の価値はどうなるでしょうか?
・モノの価値はその文脈に依存する。
・その文脈は幸福度に依存する。
・その幸福を生み出す力をどのように身に付けるか?
そういう時代に入っています。であるなら、ここから先、自身の物語を構築する力のある人と、そうで無い人とで人生に対する満足度が大きく異なる社会になります。そして、その力は他者や組織に依存できないのです。
昨今、修正資本主義は多くの場面で語られ始めましたが、「資本主義のサブシステム化」と考えるのが良いかもしれません。メインシステムに何を持ってくるか。幸福、well-being、内発的動機、内在的自己。これが今後、企業にとっても個人にとっても重要になるでしょう。
「手段の目的化」とは悪手の例としてよく言われますが、まさに世界中でそれが起きたのかもしれません。資本主義をサブシステムとするなら、メインシステムに何を置くのか?私たち全人類が、自分のこととして考え始める黎明期にいるのでしょう。
例えば、エーザイと言う企業は、企業理念を定款第2条に記載しています。--------------------------------------
(企業理念)
本会社は、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネ
フィット向上に貢献することを企業理念と定め、この企業理念のもと
ヒューマン・ヘルスケア (hhc) 企業をめざす。
--------------------------------------
資本主義社会にいながら、それをサブシステム化するような意思決定が、個人として、組織としてできるかが、そうした覚悟を持った人がどれだけ増えるかが、世界を変化させていく力となるでしょう。そして、そこにはいつも限界を乗り越えて行こうと言う、素晴らしい人間がいます。いつも始まりは、個からです。私たちは、以下をミッションとしています。
「個をひらき 組織をひらき 場をひらく」
では、どのように自身の物語を構築する力を強くするか。
それは、
1)「どのような世界に生きているのか」を定義する力
2)その世界に生きるあなたは何者か
これらをメタ認知しながら定義し、話を時間の矢に載せて進めていく力にかかっています。私たちが、「WaLaの哲学」を通じ取り組んでることは
「切り離された世界の住人としてではなく、この世界の主人公として生きるための哲学」
つまりあなたが、
「自ら定義した舞台」で
「自らを主人公として描く」
「全く新しい世界観の中に生きる」こと。
そのために必要な思考の型を、これからを生きる武器として多くの人に持って欲しいと思っているからです。また、社会の側もそうした個人の力をも活かしていかないと、現在の分離構造を乗り越えられないことを認め始めています。(本質的には、存在意義がないものは、サバイバルできないということです。)必要なのは、魁(さきがけ)となる勇気だけです。
This is your Life!
Open the Door!
こうした、思考のフレームを学ぶ、はたらく意味のアカデミア「WaLaの哲学」を主宰してますが、オリエンテーションを2月3月で実施します。ぜひ、こうしたお話しの続きを聞きにいらしてください。
-----------------------------------------------------------------------------「自分とは一体何者なのか?」「この世界はどういった場所と考えるべきか?」万物の奥にある力(BPF:Background Potential Force)を学ぶことで、より大きな力を捉えられるでしょう。WaLaの哲学 4期 以下日程でオリエンテーション 実施してます。新しい時代に必須となる知の扉を開けに、ぜひいらしてください。
詳細は下記ページより。
2/19(水)19:45~21:15
2/26(水)19:30~21:00
3/5(木) 19:30~21:00
3/11(水)19:30~21:00