穏やか

前の会社を逃げるように辞めてから今の会社では。

99%リモートワークで、行きたければ会社に出向いてもよいという感じなので、初日に行ったきりずっと家にいる。入社したばかりでまだ仕事が全然わからず、人が話しているのを聞いているだけなので特に何もしていない。

朝、子供を保育園に連れていく。二人の子供と手を繋ぎ、私が真ん中を歩く。車道の騒音と、私の耳から子供の口までの距離が長いので、子供が何かを言っても耳を近づけないと聞こえない。さらに、二人が別々のことをしゃべったりしているので「うんうんそうよね」など、てきとうな相槌を両方に向けて打つ。

子供を送って8時半、仕事を始めるのは9時からだから、それまでパンをかじったり洗濯物を干したり、天気が良い日は2回目の洗濯を回したりして過ごす。9時になっても洗濯が干し終わらないときは、会議の合間に干したりもする。

最近加入したspotifyをスピーカーに繋いで音楽を流す。結局は持っているCDの曲ばかりを聴いてしまう。大学生のころとかによく聴いていた曲を久しぶりに聴いて、懐かしすぎて泣いたりする。

外を見ると、風が強くて洗濯物がバタバタしている。飛んでいきそうなので、洗濯ばさみを追加してみる。それでふと、こんなに穏やかでいいの?と思う。こんな穏やかな毎日を過ごしちゃっていいのか?と。

コロナはいろいろなものを奪っていった。だが、行きたくない嫌な飲み会の免除と、このリモートワークという素晴らしい環境を整備せざるをえなかったことは、ありがたいことであると思う。月曜日に右腕に打ったワクチン一回目の鈍痛は、もう消えている。

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