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ベトナムといえばフルーツ天国というイメージですが、そのベトナムで日本のリンゴが大人気だそうです。
ベトナムにおける輸入リンゴは、アメリカ産やニュージーランド産のものが多く、日本産は数も少なくびっくりするほど高額です。

<ベトナムでの販売価格>
- アメリカ産  8万6000VND (約410円)/ kg
- 韓国産    11万3000VND (約540円) / kg
- 日本産(ふじ)25万9000VND (約1240円) / kg
*2019年JETROの主要都市におけるりんごの市場価格調査による

とても気軽に購入できる金額ではありませんが、一回り大きく触感や味のバランスが良い日本産のリンゴは、ベトナムの旧正月「テト」の時期、親戚や会社の同僚への贈答品としてニーズがとても高いのだそうです。

日本のリンゴ輸出量

2020年のJETROのレポートの貿易概況によると、2019年の日本産リンゴの輸出量は台湾と香港向けで全体の 9割以上を占めています。

ベトナム向けはまだまだ少ないですが、ベトナムを含む東南アジア諸国は、リンゴの栽培条件である平均気温上限 14 度を上回る地域で、栽培には不向きなため、農林水産省の輸出戦略においても潜在的なマーケットとして有望視されています。

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植物検疫条件の緩和

日本産リンゴのベトナム向け輸出が解禁されたのは2015年です。輸出にあたっては「収穫まで袋かけを義務付ける」など、一定の植物検疫条件を満たしたもの以外は輸出することができませんでした。

袋かけの作業は生産者の大きな負担になっていました。2019年12月植物検疫条件が変更となり、袋をかけずに育てたリンゴも低温で約1か月貯蔵するなどの条件のもとで輸出できるようになりました。

袋なしで育てたリンゴは、日光をたくさん浴びて育つため甘みがより強くなるそうです。

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2021年ベトナムで「無袋リンゴ」販売開始

2021年2月旧正月「テト」にあわせて、ベトナムでは袋をかけずに育てたリンゴの販売が始まりました。

青森県では、農家の手間が少ない袋をかけずに育てたリンゴが生産量の8割を占めており、今回、輸出を始めたJA全農あおもりでは今シーズンおよそ300トンの輸出を見込んでいるそうです。

今後、ベトナムの経済が発展するに伴い、質の高い日本産リンゴのニーズはますます増加していくことでしょうね。

ベトナムの経済と食品ビジネスに興味がある方は、「GOVERSEE:ベトナムと食品ビジネスの情報サイト」にもお立ち寄りください。


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