映像考現学収集をInstagramでアップしています。 記録について事象性と物質性を行き来しながら考えさせていただいております。https://instagram.com/mori_poyo?r=nametag

モンブラン

嘘

人生というのは大抵うまく行っていない。 うまくいっているというのはポジティブシンキングなビジネスマンとしての職業病か、そのビジネスマンを育てるセミナー開催者などの職業病のどちらかの職業病が言わせているのである。 きみは自分の小指の長さが何センチかどうか知っているだろうか。人生がうまく行っていないやつほど小指の長さを知らないものである。 わたしも自分の小指の長さなど知らない。定規で測ったら「負け」な気がするからだ。 でもそれを人に聞かれたら、「だいたい6センチくらいかな」と、

ラッコ

DON'T STOP BUS STOP バスにおける圧倒的な不安について

バス、bus、ビー・ユー・エス……、 それは都市から僻地まで横断する怪物的な乗り物、 それはとなりのトトロに出てくる猫バスのようなメタファーのようなものがわたしの不安としてあるのです。 乗り方も様々です。最後に支払うタイプ、最初に支払うタイプ、 またローカルなカードを待っていないと使えないなどがあります　わたしはその度に、異なる地の人であることに自覚的になります。 バスのデジタルサイネージは、 おつりがでませんといいます。 お金という従来の通貨を使います。 不安と同時に、

生活の復唱〜収縮と拡張〜

職場にスマホを忘れた。加えて、５年間使っていたパソコンが動かなくなった。 昨日までスマホの中の音楽と映像で日常を豊かにしていたけれど、今はパソコンの再起動方法を教えてくれたAppleのカスタマーセンターのオペレーターの優しさや、クーラーの涼しさのことを考えている。 デジタルにすっかり順応していると思っていたけれど、しかるべきところでデジタルが使いこなせていないと思い始めた。 デジタルで拡張したように見えて、疲れて帰ってきた日などは冷蔵庫で冷やされていたビールを安定しないベッ

歯医者がなぜ嫌か

（白い歯医者の建物の下には、子供たちが甘い蜜を吸うツツジの花が咲いている。 こどもたちは分団登校の集合場所を、そのツツジの花の咲いたスペースにしている。ときどきそこに、乱れ髪の酒焼けした女がちぐはぐした凛々しい顔で歩いてくる……。） 歯医者というのは基本的に憂鬱である。受付の係が大抵若くて美人の女性なのは、歯医者側にとって憂鬱な気持ちを紛らわす唯一の手段なのか知らないが、騙されてはいけない。わたしは歯医者の建物が、一見病院とは思えないようなユニークで遊んでいる風貌が多いこ

舞台①「倒れる」

舞台①

note

noteに文章を書くことには抵抗がある。虫かごではなくて、標本箱の中にきれいに収めなければいけないと言われたら、その過程で本来の目的を失ってしまうものだ。 現にいまも、いつものように目的を見失っている。 しかしnoteは「書く」というsnsである。書くことが求められる。だからnoteにはnoteについて書かれた文章が多数存在する。書き手にとってnoteは興味深いプラットフォームなのだろう。snsだから、恥ずかしくなったら消すというのもアリだ。 作家性はあまり関係なくnot

いい感じの場所

2019年映画ベスト

今年は映画をほとんど鑑賞できなかったため、いくつかのメディアが混ざっていますが、全て映画です。 一つ言えることは、映画が映画館以外のフォーマットを持つことが日常となった今、映画はありとあらゆる場所に現れ始めているのです。きっと20世紀の美術と同様に、のたうちまわって失墜し、戸惑い、やがて新たな哲学を生むでしょう。共にこの時代を生きましょう。 ①「ワイルドツアー」/三宅唱 ②「ロマンス宣言」/奥山由之 ③「本気のしるし」第5話　/深田晃司 ④「回転てんことどりーむ母ちゃん」