健康のために、塩をどう考えるか?

塩については、「現代人は摂りすぎだ」、という一般論がある上で、最近は逆に(ミネラルの多い海塩を中心に)「塩分をたくさん摂るべきだ」という意見も見かけるようになりました。

結論から言ってしまえば、「体に必要十分な量だけ摂りましょう」ということになるのですが、そこをどう考えていけばいいのでしょうか?

そもそも体に必要十分な量というのは、状況によりかなり変わります。

デスクワーク中心の仕事の人、体をよく動かす仕事の人、運動をして汗をかいた人、そうでない人、季節、塩分以外に摂取した栄養素…

塩分と動物のかかわりで見ていくと、もともと、塩水である海の中で生命は誕生しましたから、陸上生活に至っている以上、きちんと塩分を摂取することが重要であるということはひとつ説得力があります。

また逆に、陸上生活をするにあたって、体内で適切な塩分調整機能ができたのだから、塩分を多量に摂る必要はなくなったということにも説得力があります。

ところで、塩分の感じ方は、体調によりものすごく変わります。

全く同じ食品(カップラーメン等がわかりやすいでしょうか?)を食べても、ある時は、塩気を強く感じ、ある時は塩気をほとんど感じない。そんな経験がある方もいるのではないでしょうか?

あえて、カップラーメンに入れるお湯を少なくして、濃くして食べている人もいると聞きます。

また、腎臓病などで、減塩を徹底している人などは、市販のから揚げを食べた時に塩辛すぎて食べれない、といった話も聞きます。

私は、同じ量の塩分であっても塩気を感じるときは、塩分を体が欲しているとき、そうでないときは塩分を体が欲していないときなのではないかと考えています。(塩辛すぎるときは、塩分は必要だけどその量はいらないよ、というサイン)

ある動物が、目の前にある塩分を含んだ食べ物を食べています。

その動物は、塩分が足りず、目の前の食べ物を食べ、塩分を感じおいしかったためたくさん食べようとします。

また、別の動物は、塩分が十分だったため、目の前の食べ物を食べても、塩分を感じられず、その食べ物を食べるのをやめてしまいました。

以上は、動物の場合だったら、の想定ですが人間だったらどうでしょうか?

あれ? この食事は塩気が足りないな? 「足そう」

この「足そう」が、人間にはあまりに容易にできてしまいます。

塩分は、体に必要なものであるが故に、塩気を感じるとおいしく感じます。そのおいしさを味わいたいがために、体が「塩分は今充分だよ」というサインを送っているにも関わらず、塩を足してしまうのです。

これが、一般的に現代人が塩分を摂りすぎる理由の一つなのではないかと思います。

状況により必要な塩分量は変わります。

料理を作る際、味見して塩分を調整するとき、自分の味覚は一定ではありません。

前記のように、現代では、目の前の食事の塩分をどうとでも調整できますから、自分の味覚に合わせて塩分を調整すると摂りすぎになる場合もあります。

塩分の量を正確にはかって作った料理を一つの基準として、塩気を強めに感じたら、その塩分は必要なとき、そうでないなら、塩分は必要でないとき、といった視点もあると、健康の一助になるかもしれません。

長くなりましたので、海塩、岩塩、精製塩などについての自分の考えは、また別の機会に書きたいと思います。お読みいただきありがとうございました。

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