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122番 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)

菌がいると叩きたくなってしまう。そんな衝動にかられますが、ホントに良いことなのかどうか。患者さんが健康で、炎症も程度も軽ければ、原因となる菌が同定されていてもあえて抗菌剤を使わないって手もありです。
そんな時に、今回とりあげる排膿散及湯が使えます。リポポリサッカライド刺激によるIL-6の産生増加やIFN-γによるマクロファージ貪食能の…という作用機序も大事ですが、「抗生剤を使わなくても大丈夫ですよ。」というのを患者さんにわかってもらうことが、一番大事で一番難しい…

使用目標(証)

本方は、体力中等度の人を中心に、主として皮膚、粘膜(鼻腔、副鼻腔、歯肉など)の化膿性疾患を目標に用いる。発症の初期、中期、および化膿の遷延、再燃時、いずれの場合にも消炎、排膿の効果がある。単独よりも、多くは他の処方と併用される。

組成

桔梗(ききょう);排膿、痛み止め。
甘草(かんぞう)
枳実(きじつ);理気剤、排膿。
芍薬(しゃくやく);駆瘀血剤
大棗(たいそう)
生姜(しょうきょう)

勝手にポイント

排膿する薬。
散及湯とは、粉薬を表す散とお湯薬を表す湯のどっちもの意。もともとあった排膿散と排膿湯の合方。

参考文献
「つまずきから学ぶ漢方薬 構造主義と番号順の漢方学習」 岩田健太郎 著 / 西本隆 監修
「漢方製剤 活用の手引き 証の把握の処方鑑別のために」 長谷川弥人 大塚恭男 山田光胤 菊谷豊彦
漢方スクエア 絵でわかる漢方処方解説 排膿散及湯
漢方スクエア 方剤解説 排膿散及湯