59番 治頭瘡一方(ちずそういっぽう)

今回取り上げる治頭瘡一方(59)や治打撲一方(89)のように、漢方薬には「治○✗一方」という処方があります。わかりやすく言えば、「○✗を治療する薬」です。幕末から明治に活躍した医人(偉人?!)浅田宗伯が書いた「勿誤薬室方函口訣(ふつごやくしつほうかんくけつ)」には、その他、「治血狂一方」「治頭痛一方」「治喘一方」「治吃逆一方」「治狂一方」など13種類ほどあったとのこと。(参照;勿誤薬室方函口訣について漢方一話 処方名のいわれ84-治打撲一方
当たり前ですが、エキス剤以外にも漢方っていっぱいあるんですねぇ〜

使用目標(証)

本方は、比較的体力がある人の、特に頭部・顔面の皮疹ならびに癤に用いられ、一般に発赤、丘疹、結痂、漿液分泌、瘙痒感、化膿などを呈する。一般に小児に多用されるが、成人にも用いられる。

組成

連翹(れんぎょう);熱や膿を治療
防風(ぼうふう);熱や膿を治療
甘草(かんぞう);熱を冷ます効果。鎮痛作用。
荊芥(けいがい);熱や膿を治療
川芎(せんきゅう);血行促進
蒼朮(そうじゅつ);分泌物をとる
紅花(こうか);駆瘀血剤。血行促進薬。
大黄(だいおう);熱を瀉する
忍冬(にんどう);スイカズラ科の植物。熱や膿に効く。

勝手にポイント

頭瘡とは子どもの分泌物のある顔面や頭部の皮膚炎症のこと。
ぶっちゃけ、大人なら清上防風湯(58)、子どもなら治頭瘡一方(59)