7番 八味地黄丸(はちみじおうがん)

1番の葛根湯の回で、高校生のとき、漢方に興味があって、知的生き方文庫「くらしに活かす漢方の本」を買った話をしました。ちょうどその頃、通学路の途中にドラッグストアがありまして、店の駐車場に立ててあった広告の旗が「八味地黄丸」だったのを妙に覚えています。自分の記憶の中では、2番めに古い漢方薬がこの「八味地黄丸」。もちろん、その頃はどんな薬か知らなかったですし、グーグルはおろか、ネットも一般的に開放されていなかったころなので、ググって調べることはできませんでした。まあ、百科事典を引けばよかったんでしょうけど。知へのアクセスは随分と楽チンになりましたよねぇ〜

それはそうとなんで7番なのに八味地黄丸?! せっかくなら8番にすればいいのに。

使用目的(証)

本方は、中高年者を中心に泌尿器・生殖器・腎などの機能低下に伴う排尿障害、陰萎、腰部・下部の脱力感、しびれ、痛みなどを目標に用いる。腹部は臍下部正中で腹壁の緊張低下もしくは知覚鈍麻(小腹不仁)を多く認め、まれに腹直筋の緊張(小腹拘急)がみられることがある。一般に全身倦怠感、手足ことに足底のほてり、四肢冷感、口渇、腰痛、下肢痛、排尿障害(頻尿、多尿とくに夜間多尿、排尿困難、排尿痛)、浮腫、耳鳴、皮膚枯燥などを伴う。

組成

地黄(じおう) 山茱萸(さんしゅゆ) 山薬(さんやく) 茯苓(ぶくりょう) 沢瀉(たくしゃ) 牡丹皮(ぼたんぴ) 桂皮(けいひ) 附子(ぶし)

勝手にポイント

八味地黄丸は名前のとおり8つの生薬からなる。

六味丸 + 桂皮・附子 = 八味地黄丸

八味地黄丸 + 牛膝(ごしつ)・車前子(しゃぜんし) = 牛車腎気丸

男性によく使う。勃起障害(ED)にも使う。キーワードは腎虚。

地黄はゴマノハグサ科の植物の塊根。実は、新鮮な生地黄、乾燥した乾地黄、酒で蒸した熟地黄がある。胃を悪くすることがあるので注意。

山茱萸はミズキ科の植物。(似てるけど呉茱萸はミカン科)

山薬はナガイモとかヤマイモのこと。

茯苓 + 沢瀉 = 水の問題

牡丹皮は血の巡りを良くする駆瘀血剤

附子はトリカブトの根。ただし、エキス剤では熱処理してい毒成分を減らして使用。最強の温める薬(温補剤)