8番 大柴胡湯(だいさいことう)

「大きいことはいいことだ」(森永エールチョコレート 昭和43年 CM)なのか、「杓子は耳かきにならず」なのか…(*さすがに、エールチョコレートのCMはリアルタイムにはみておりません。)

漢方エキス剤にも「大柴胡湯(8)と小柴胡湯(9)」「大建中湯(100)と小建中湯(99)」があります。エキス剤になってないものも合わせると「大承気湯(133)と小承気湯」「大青竜湯と小青竜湯(19)」もあります。大・小の差異は作用の強弱。柴胡湯なら消炎作用の強さ、建中湯なら温める力、承気湯なら瀉下作用の強さが、大の方が小の方より強いそうです。

ちなみにエキス剤の番号が、柴胡湯は大のほうが数字が小さく、建中湯の方は大のほうが数字が大きいのか?!

ごめんなさい。こちらは答えは用意しておりません。理由がわかれば、後日ここで(笑)

使用目的(証)

本方は、各種柴胡剤の中で、体力・腹力が充実した人に用いられる。体格及び筋骨の発達がよく体力があり、便秘がちな例を目標に用いる。腹部では季肋部の苦満感と肋骨弓下部の抵抗・圧痛(胸脇苦満)が著明に認められ、上腹部から下腹部にかけて全般に腹壁の緊張がみとめられる。脈は沈んで力があり、下は乾燥気味で白苔または黄苔を生じる。一般に、便秘、悪心・嘔吐、食欲不振、肩こり、頭重感、上腹部の疼痛、耳鳴り、息切れなどを伴う。急性症においては、交互におこる発熱と悪寒(往来寒熱)、咳嗽、喀痰、咽頭発赤などを呈する。

組成

柴胡(さいこ) 黄芩(おうごう) 半夏(はんげ) 枳実(きじつ) 芍薬(しゃくやく) 大棗(たいそう) 生姜(しょうきょう) 大黄(だいおう)

勝手にポイント

「胸脇苦満」をとる薬。

10番の小柴胡湯との違いは、人参、甘草の代わりに枳実、芍薬、大黄が入っているとこ。

小柴胡湯 + 承気湯 ≒ 大柴胡湯

枳実はミカン科の植物。胸につかえた気を下ろす。腹痛、腹満感に効果。

半夏はサトイモ科の植物の塊茎。鎮咳・去痰薬

芍薬は筋肉の緊張をとる。