33番 大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
ここ数年で西洋薬で便秘薬の選択肢が増えました。アミティーザ®(ルブプロストン)、リンゼス®(リナクロチド)、グーフィス®(エロビキシバット水和物)、モビコール®(マグコロール)などなど… 従来だと酸マグネシウム+センノシドが定番だったのが、選択肢が増えたおかげで、コントロールしやすくなった印象です。
漢方薬にも便秘に効く薬がありますが、使い分けはまた難しい。有名どころでは、体力のある人向けの大黄甘草湯、体力があまりない人向けの桂枝加芍薬大黄湯、コロコロうんちには麻子仁丸・潤腸湯、便秘と下痢を繰り返すようなタイプには桂枝加芍薬湯。他にも、大柴胡湯、桃核承気湯、柴胡加竜骨牡蛎湯もあります。腹部の抵抗圧痛が左だと桃核承気湯、右だと今回の大黄牡丹皮湯がいいとされるようです。
使用目標(証)
本方は、比較的体力が充実し、便秘傾向がある人の、いわゆる瘀血(静脈系のうっ血、出血などに関連した症候群)を目標に用いる。腹部は、腹力中等度ないしは強く、臍下部に著明な抵抗・圧痛(瘀血の腹証=小腹硬満)を認め、時として右下腹部の自発痛をともなうことがある。一般に月経異常、便秘、痔疾、排尿異常などを伴う。
組成
桃仁(とうにん) 牡丹皮(ぼたんぴ) 大黄(だいおう) 冬瓜子(とうがし) 芒硝(ぼうしょう)
勝手にポイント
大黄牡丹皮湯はカッカしている、腹部緊満があり、便秘がちな方に出す。
回盲部に抵抗・圧痛がある。(左だと桃核承気湯…)
桃仁は瘀血に効く。
芒硝も大黄と同じく瀉下作用。
冬瓜子はウリ科の冬瓜の種。排膿薬。