104番 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
自分がかかったことのある病気って、親近感が湧くと行くか、辛さがよく分かるというか、治してあげたいって気持ちが高まります。まあ、治してあげるって表現はおこがましく、治るのをサポートするって表現の方がただしいかな。
慢性副鼻腔炎=蓄膿の漢方と言えば、葛根湯加川芎辛夷(2)、荊芥連翹湯(50)、そして今回取り上げる辛夷清肺湯。使い分けとすると、基本処方が葛根湯加川芎辛夷。炎症所見が強く、急性期から亜急性期にかけては辛夷清肺湯、皮膚症状がかぶるような場合は荊芥連翹湯で、慢性期まで引っ張って処方することもある。
清肺湯(90)でも取り上げましたが、「清肺湯と辛夷清肺湯」は「浜田麻里と濱田マリ」ぐらい別です。(←ネタかぶり)
使用目標(証)
本方は、体力中等度あるいはそれ以上の人の、鼻閉、膿性鼻汁・後鼻漏などを目標に用いる。急性症では鼻根部、前額部、頬部などの熱感および疼痛、慢性症では嗅覚低下、鼻ポリープなどを伴う。
組成
石膏(せっこう):冷やす系の薬
麦門冬(ばくもんどう);乾いた気道を潤す薬
黄芩(おうごん);冷やす系の薬
山梔子(さんしし);冷やす系の薬
知母(ちも);冷やす系の薬
升麻(しょうま);熱を下げる・発散させる
百合(びゃくごう);ユリ科の植物の茎。気を補う薬。
辛夷(しんい);モクレン科コブシ。発汗させながら欠を発散させる。
枇杷葉(びわよう);咳痰に使う。
勝手にポイント
肺に熱がこもって粘稠痰の出る患者に使う。
慢性鼻汁、鼻炎・副鼻腔炎にもよく使う。
参考資料
「つまずきから学ぶ漢方薬 構造主義と番号順の漢方学習」 岩田健太郎 著 / 西本隆 監修
「漢方製剤 活用の手引き 証の把握の処方鑑別のために」 長谷川弥人 大塚恭男 山田光胤 菊谷豊彦
漢方スクエア 絵でわかる漢方処方解説 辛夷清肺湯
漢方スクエア 方剤解説 辛夷清肺湯