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「運動機会」の増進(実践⑧)

身体活動・運動の促進、座位行動の削減は健康の様々な側面に役立つ可能性がある。職場で運動の取り組みを展開するには「現状の評価」「原因の把握」「対策計画の樹立」「対策計画の実行」「対策の評価」の5つのステップに対し、適切な対応が必要。運動の取り組みに対する職場のステージも併せて考慮するこが重要だ。

座位行動が長くなることは体に良くないことが分かっている。特に、プレゼンティーイズムによる一人当たりの年間損失額の1位は頸部痛・肩こり、3位が腰痛であるので、これらの症状によるプレゼンティーイズムを改善させるうえでも、定期的な身体活動や運動が役立つ可能性が高い。

日本における身体活動・運動に関するガイドラインとして「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」が示されている。今より、10分多く体を動かすことが強調され18~64歳の者は1日60分65歳以上は1日40分筋力トレーニングやスポーツを含めると効果的と示されている。

日本産業衛生学会生涯教育委員会が公開している「Good Practice Samples」スマート・ライフ・プロジェクトの「健康寿命を延ばそう!アワード総合事例集」スポーツ庁が認定している「スポーツエールカンパニー2021認定企業の取り組み事例」などが参考になるだろう。

スポーツ実施率の向上に向けて

スポーツ基本法(平成23年)において、「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、すべての人々の権利」であるとされている。一人でも多くの方がスポーツに親しむ社会の実現を目的とし、生活の中に自然とスポーツが取り込まれている「スポーツ・イン・ライフ」(生活の中にスポーツを)という姿を目指している。

第二期スポーツ基本計画(2017年度~2021年度)」において、成人の週1回以上のスポーツ実施率を65%程度週3回以上が30%程度とすることを目標にしている。令和2年度では、週1が59.9%、週3が30.9%となっている。前年度比は上回っている状況であり、徐々に浸透してきているという印象だ。スポーツを行った人の理由の1位は「健康のため」、行わなかった、減った人の理由の1位は「仕事や家事が忙しいから」「面倒くさい」などが挙げられる。

スポーツ庁では、忙しいビジネスパーソンでも気軽に取組めるよう、「FUN+WALK PROJECT」を推進している1日8,000歩を目標にしている。歩きやすい服装(カジュアルデーを設ける)や階段利用の推奨、ひと駅歩きの推奨、歩数競争の実施など、楽しみながら取り組める施策を実施してみよう。

「スポーツエールカンパニー」認定制度とは

スポーツ庁が平成29年度に創設した認定制度。「働き盛り世代」のスポーツの実施を促進し、スポーツに対する社会的機運の醸成を図ることを目的として、従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取組を行っている企業を認定するものである。職場でスポーツをする雰囲気づくりを図ることで、スポーツを始めるきっかけづくりを推進している。

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