【入社前の当時を振り返る】パンデミック禍のインフラエンジニア。

入社まで残り一週間を切ろうとしていた或る日のこと、僕は近所をうろついていた。

目的は特に決めていないが、家に閉じこもっていると「この街で僕は独りなんだ」という事を頭の中で反芻させてしまう。

しかし、街に出ると待ち受けていたのは「ウイルス」に関するものばかり。そして不景気になっているという現実。

コンビニの棚も空っぽになっていて、消毒液もない。スーパーは入場制限がかかっている。

メディアに逃げようとも、そうはいかない。テレビも雑誌もスマホもなにもかもがウイルスの話題で溢れている。

多分、こういう感情を「不安」、「孤独」というのだろう。

当時の僕からすれば、勘弁してくれという感情だった。

ただ、少なからず希望もあった。


「この状況下なら仕方ないよね」と言い訳して帰郷できるんじゃないか…

そう思った矢先に一通のメールが入った。

「入社準備は予定通り、進めております。ご心配なく」

メールを閉じる。

内定取り消しのような落ち込むような内容じゃない。それなのに、なぜか落ち込んでしまった。この先の事を考えると良い方向に進んでいるとは何故か思えなかった。

「こんな気持ちのままエンジニアをやっていくのか?未経験なのに働ける場所が本当に存在するのか?もういっその事、辞めてしまいたい」

そんな葛藤を続けた一週間後、いよいよ入社式がやってきた。


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