地方都市でインフラエンジニアとして働くまで。上京したて編
「東京を抜け出したい。」
上京1年目の僕はそんな事を思っていた。
理由はシンプル。
「家賃が高い」「食費が高い」「通勤長い」「飯が微妙」
そう思ってしまうのは、多分僕が、九州出身で生まれも育ちも大学も九州だったから。
そんな九州に染まりまくった人間が上京前の当初どう感じていたか?
冒頭に述べた感想とは真逆の感想で「何もかもが新鮮。」そして、「やろうと思えば何でも出来そう」
そんな可能性に満ち溢れた街だと感じていた。
しかし、就職して1年目に某ウイルスの影響で思い描いていた日常とは少しづつ様子が変わってきた。
上京初日(3月下旬)に僕が目の当たりにしたのは、東京の中心ともいっていい新宿に人が数十人しかいない状況。
店はほとんど閉店しており、唯一開いていたのは新宿にある「銀だこ」だけ。
僕は、静寂につつまれた新宿で銀だこを頬張りながら、この先の人生が不安になっていくのを感じた。
新宿の光景を見れば、明らかに景気がいいとは言えない。この状況がいつまで続くか分からないし、一生そのままなのでは。。
「九州で就職した方が良かったんじゃないのか?」
「ウイルスを理由に辞退した方が良かったんじゃないのか?」
毎日、心の中の自分がそう囁いていた。そして僕は聞こえないフリをしながら入社するその日を待ったのだった。
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