加齢と大腰筋
大腰筋は①歩くのにも、②代謝を確保するうえでも、③転びそうになった時にとっさに脚を前に出すにも非常に重要な筋肉です。それにも関わらず、若いときも、中年になっても、お尻とともに気にはなるけど、特段の気遣いができずに遣り過ごしていませんか。
大腰筋は重要な筋肉
できればどの筋肉も必要に応じてバランスよく使えれば問題はありませんが、そんなに上手に筋肉を使えるという人はなかなかいないようです。
歩き方だけでも分かりますし、姿勢からも判断できます。その600以上あるという筋肉の中で、大腰筋は拮抗筋となる大殿筋とともに極めて重要です。
お尻が持ち上がると大腰筋も活躍し始めた証拠です。
しかし、50代ともなるとこの大腰筋がかなり衰えた人が目立ってきます。簡単なテストですが、普段使っているオフィスなどの椅子の上に両手を着きます。右脚を右手の隣に引き上げてみます。
スムーズに脚が上がれば10~20回ほど上がるか確認しましょう。左も同様です。毎日50回ほどを繰り返せば問題ありませんが、脚が引き上げられない、5回もできないという方はご自分のお尻を見て下さい。きっと垂れているはずです。見た目で、筋肉の状態も分かり、健康の先行きも分かります。
大腰筋はなぜ重要な筋肉か?
大腰筋はなぜ重要なのでしょうか。先述の3つに加えて、骨盤の位置にも影響します。大腰筋が弱ると、個人差がでるものの骨盤が前後に倒れます。やがて、背中や頸椎に影響が出ます。徐々に姿勢が悪化し、加齢とともに、遠目にも年齢を感じる姿勢となります。
筋肉が弱り、硬くなり、骨の位置を変えます。特に頸椎では骨が小さいためか、頭蓋骨を開き、かつ下に引っ張るように動きます。余談ながら、顎関節症は、単に顎の機能だけでなく、こうした点からも全身の連動した動きから来ていることが想像できます。
下半身を丈夫にする
超高齢社会の現在、如何に健康を自分で考えることができるかが問われています。介護難民、介護破産などといわれる時代が迫っているといいますが、介護は大方、生活習慣病に罹患したのちに介護が必要になります。生活習慣病と筋肉が代謝に与える影響を考えるとき、下半身を如何に丈夫にするかを考えることが必要です。
介護施設の現状を考える
生活習慣病は、医療者に身を任せると筋肉を増やす、鍛えるどころか、クスリ漬けを招きます。日本の介護施設では、ご丁寧に生活支援員、介護職員がクスリの服用を手助けします。
現代の病院化社会が、発症の根本原因となっている大幅な筋肉量の低下に対する対処を拒み続ける消極的な選択を招いています。その結果、長寿先進国の中で唯一男女の平均寿命が7歳も開いている原因ではないかと指摘されるほどです。なおかつ自立した生活が営める健康寿命も、意外に短く、介護期間が長くなるようです。
下半身の筋肉を増やすとは、よく歩くこと、大腰筋、ふくらはぎを鍛えることを意味します。現在の高齢者施設では、施設内ですから全ての面で動きが制約されてしまします。リハビリの時間も健常者でさえ、けして十分ではないのに、空間、時間、人材に制約が設けられた中で良い結果が出るわけはありません。
自立した生活と健康を考える
自分や親の介護に悩む前に、自分の健康と体の状態を考え、行動をあらためる意識を持つことが大切です。高齢者ほど既成概念にとらわれて、治療も療養も医師任せにしてしまします。先の述べたとおり、自分で健康を守ることが、病気や要介護から遠ざけます。大腰筋の状態を知ることが大切です。
宜しければ、サポートお願いします。「生活習慣病は、自分でしか治せない」と考えています。運動と食事での貴職の生活習慣病の治癒体験を教えて頂ければ幸いです。また、わたしの考え方の不足な点があれば、ご遠慮なくご指摘頂けると幸いです。どうか宜しくお願い致します。