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インタビュー調査とソーシャルワーク①

山口富子編「インタビュー調査法入門質的調査実習の工夫と実践」ミネルヴァ書房2023p113のインタビューで用いられる質問の形式が普段のソーシャルワーク実践現場においても有効に活用できる技術ですので紹介します。

「導入質問」
話題を提示し、対話をはじめるための質問。インタビューの最初にしたり、途中でトピックを転換するとき、新しいトピックの導入に際して用いられます。

「フォローアップ質問」
調査対象者の語りは、調査者の態度や反応によって長くなったり、短くなったりします。調査者の側の反応は直接的な質問の場合もあるし、「ええ」といった相槌の場合もあります。あるいは調査者が重要な言葉を繰り返すだけでも、さらなる語りを引きだすことができます。

「探索的質問」
調査対象者が語った内容についてさらに深く知りたいときにおこなう質問です。単に語りを促すことを目的としたフォローアップ質問よりも意図をもった質問であり、「それについてもう少し話してくれませんか」、「それについてはなにかご存知ですか」といった形式で、尋ねてみましょう。

「特定化質問」
特定化質問とは、調査対象者の語りを促すという意味ではフォローアップ質問と似ているが、より明確に聞きたいことがあるときにおこなう質問です。「そのときあなたはどう思ったのですか。」、「不安を感じたときなにをしたのですか。」、「そのとき身体はどう反応しましたか」といった質問がそれに該当します。

「直接的質問」
調査対象者のそれまでの語りから重要と推測できるにもかかわらず、本人が語らなかったことについて確認する質問です。「それでそのときどれくらいの時間がかかったのですか」「そのときは何歳だったのですか」など、課題にとって重要な事柄について調査対象者の自発的な語りが終わった後に尋ねます。

②へつづく

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