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ぴよりんという名のオーロラ(長文編)

みなさま、こんにちは。
物事を「引用・気づき・行動」にてアウトプットするアウトプットリーダーきらけんです。
私は会社員(IT営業マン)として働きながら、日々、学びに時間を費やしています。

本日の学びは、『ぴよりんという名のオーロラ(長文編)』です。

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ぴよりん
かわいらしい言葉の響きには奇跡がある。

場所は、愛知県名古屋市。ジェイアール名古屋駅が舞台だ。

私が、ぴよりんを知ったのは、ここ4,5年前のことだ。
大阪に住んでいる私は、仕事都合で毎週のように名古屋に出張する機会が増えていた。新幹線で名古屋駅に降り立つと、人目を引く一角がある。黄色い存在が並んでいたのだ。
「かわいらしい見た目だな」
そのように記憶していた。
しかし、自分の手を出すには至らなかった。

状況が変わったのは、コロナ禍になり出張もなくなった最近のことだ。某有名技士が取り上げたことで、ぴよりんが大流行したのだ。私はそのニュースをもどかしくながめていた。
「知っている。確かに、名古屋駅にあったな」
だが、知っていると、実際に手にすることには大きな隔たりがあるのだ。

そんな私に絶好の機会がやってきた。
2022年6月11日土曜日。私は名古屋に日帰り旅行にやってきたのだ。
最初のチャンスは、10時。名古屋駅到着時だ。しかし、別の箇所での予定があった為、すぐさま名古屋駅を離れたのだ。

次のチャンスは、17時。再び名古屋駅に戻ってきた。ぴよりんの一角に近づくとすでに長蛇の列。30名近くは並んでいる。
「うそやろ」
心の声が思わず出そうになる。並ぼうか悩む間もなく、同行者の妻にお土産屋に引っ張られていく。

最後のチャンスは、19時。大阪に帰る電車の時間が迫って来ている。私は恐る恐る、ぴよりんの一角を除く。
「あっ、人だかりがいない」
そう、本日分が完売したのである。

なぜこんなにぴよりんは人気なのだろうか。
かわいらしい見た目はともかく、その存在には3つの要因があると考える。

1つ目、その場所に行かなければ会えないという場所の限定。
2つ目、その場所に行っても必ず手に入れられるものではない希少性。
3つ目、その存在のはかなさだ。
まるで、オーロラだ。
オーロラのように特定の場所で、条件によって必ず見られるものではなく、その存在自体がはかないのだ。存在に出会えること自身が奇跡なのだ。

完売したショーケースを眺めながら、私はぴよりんにオーロラを重ねていた。
「いつになれば出会えるだろう」
落胆していた私に、写真のぴよりんが微笑みかける。ホットコーヒーの隣で、お皿の上でこちらを見つめていたのだ。

「あぁ。ぴよりんはかわいいな、お皿の上からも微笑みかけてくれる」
ん?
お皿の上?
ということは、イートインがあるのではないか!

私は喫茶の店員さんに声をかけた。
「ぴよりんは、いただけますか?」

「はい、ございます」

よっしゃー。
私ははやる気持ちで店内に入り、ぴよりんとホットコーヒーのセットを注文した。待つこと5分。
とうとうその時がやってきた。

よやく会えたのだ。
私の目の前には、お皿にのったぴよりんがこちらを向いている。
「かわいらしい」
夢中でカメラを撮る。
そして、ぴよりんにスプーンを入れる。
さすがに、正面からはスプーンを入れられない。ぴよりんを回れ右させて、背中からスプーンを入れ、口にする。
「おいしい」
ぴよりんの正体は、名古屋コーチンを使った卵のプリンが入ったババロアケーキなのだ。
「愛知のふるさと食品コンテスト」で最優良食品に選ばれるほどの実力の持ち主だ。
ぴよりんのかわいさよりもおいしさが上回ってしまい、二口三口と食べる手が止まらないのだ。あれだけ、かわいらしいと言っていたにもかからず、気づくとあと一口だ。待っていた5分よりも早く、あっという間に食べてしまった。やはり存在がはかない。

次はSNSで流行っている、ぴよりんチャレンジに挑戦したいと思う。再び出会えたらの話だが。

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