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28.南インドの旅:マドゥライ、静かな女神の永遠の瞳の前に立ち尽くす

 マドゥライは古代ドラヴィタ文明の中心、紀元前後から続く歴史ある都市だ。そのマドゥライの中心はミナクシ女神を祀るミナクシ・アンマン寺院だ。聳え立つ4つの巨大なゴープラムに圧倒される。ゴープラムは無数の色とりどりの神々に守られ、絶え間なく力を降り注いでいる。


 残念ながらか、幸いなことにか、境内の中には携帯、カメラは持ち込めない。想像力を羽ばたかせて欲しい。境内は屋根に覆われた密閉空間だ。四方から神々、怪物、そして物語が押し寄せる。

 ミナクシ女神は魚の目を持つと言われる。魚は目を閉じない。いつも、不断に民を見守り、導くと言われるミナクシ女神の前に立つと、その覆いつくす優しさの前に立ち尽くしてしまう。

 町中には祈りが溢れている。生活も満ち溢れている。混乱に溢れた町を歩いていると、神々も人々に紛れて生き、歩いていることに気付かされる。

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