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音楽を普通に聴ける様になった話。

演奏や作曲なんかを生業としていると、音楽を聞くときにどうしても分析しながら聞いてしまうものです。僕自身ずっとそうでしたしまぁ職業柄仕方ない事と納得していたのですが、最近になって割と普通に音楽が聴ける様になってきたのです。

僕の場合ギターを中心に作曲やアレンジ、最近ではそれに付随したエンジニア的な事から動画制作(勉強中)までやっているのですが、根はギタリストでありミュージシャンなので、ギターメインの曲なんかを聞くと、どうやって弾いているか、理論的にどう解釈するか、どんなギターでどんな機材を使っているか、録音環境はどうか、…と完全に分析しながら聞いてしまうので、楽曲自体に100%の意識を向けて聞ける事ってほぼないんですよね。そういうミュージシャンの方ってきっと沢山いらっしゃるだろうな、、とも想像しますが。

特にちょっと難解なフレーズや難しい奏法なんかあると、理解だけでなく弾けるまで気が済まないっていう。。特に若い頃とにかく上手くなりたい!とにかくテクニカル=凄い!偉い!と盲信していた頃は、結構無茶してた事もありました。

かのアランホールズワース氏の難曲なんかは、かなり難しいけど、とにかく弾ける様にならねば…!とか。

まぁ僕には弾けませんでしたけどね。物理的に指とか絶対届かないし。

でですね、最近加齢と長年の不摂生で落ちまっくた体力を、なんとか人並みにしたかったのと、まだまだ続くであろうwithコロナ社会を生き抜くのに免疫的にも体力は不可欠であろうという事もあり、もう覚悟を決めて、


散歩を始めたんですよ。散歩。


このために意を決して購入したApple Watchにも励まされながら。で、音楽でも聞こうとイヤホンして歩くじゃないですか。散歩でもちょっと早く進めば息はハァハァしてきますしそれなりにしんどいので、これどうやって弾いてる?何スケール?なんて考える余裕もあんまり無いので、割と無心で音楽を感じることが出来るんですよ。音楽を分析しないでその曲の核みたいな事を感じながら散歩するのはかなり心地よいですよ。やったぜ新鮮。

今はSpotifyの選曲精度を高めるために割とお任せでいろんな曲が流れるのですが、先ほどのアランホールズワースの次にジェフベックが来たりもするんですね。

するとこれまた不思議。全くプレイスタイルも曲調も違う2曲なのに、演奏や表現の奥深さなんかはどっちが優れてるなんて分からんなぁと思えたんですね。もちろんホールズワース=人類最高峰のテクニック。ベック=人類最高峰の表現力。とも言えるお二方だからこそ到達出来る次元におられる、ってのも大きいとは思いますが。

そんなこんなで、テクニックさえあればいいってもんでも無いし、理論ばっかり追ってもなんだかなーって感じだし、表現!エモーショナル!なだけでもかっこわりーなー、なんて思うので、結局自分は自分らしく弾きたい様に弾くのが一番なのではないか、なんて思う今日この頃です。

オチはありません。





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