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錦鯉 -今月の魚病対策-

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季節に先駆けた錦鯉の魚病対策について。 錦鯉愛好家の皆様に読んでいただけると幸いです。
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2023年6月の記事一覧

ガラス張りの温室-6月の魚病対策-

ガラス張りの温室 長所は ①雨水、雪、風による粉塵、落葉等を完全に遮断し、池水の汚染を防止できた。 ②外気温の影響を直接受けないため、急激な水温の変化を防止できた。(図1) ③天気、機構、季節に左右されず、こまめに池の管理ができるようになった。 四季を通じて最低水温の上昇がみられ、また、一日の水温の最高と最低の差が減少した。(図1) ⑤越冬対策が容易となった。 ⑥水面が落ち着いて、鑑賞がいつでもできるようになった。 ⑦外部からの騒音などの刺激が少なく、鯉の落ち着きがでてきた

池覆いの効果-6月の魚病対策-

私の池は国道に面した町の中にあるため空気が悪く、冬はスパイクタイヤによる粉塵が、夏は媒煙やら、風によって吹き込まれるゴミや砂、落葉などが水面に降下し、その処理に大変苦労します。 また、梅雨時期には降水のため水面が波打って鯉が鑑賞しにくくなり、次第に池から足が遠のきがちとなって管理不足の悪循環を生じます。台風シーズンや冬の豪雪期においては、何をか言わんやです。 こうしたいろいろの悪条件を考えた結果、図(2→3)のようなガラス張りの温室で、池を全部囲ってみました。 今年で薬

梅雨の季節-6月の魚病対策-

六月に入りますと、長くうっとうしい梅雨の季節がやってまいります。雨の中での池の管理は大変で、どうしても怠りがちになってしまいます。 大量の降雨によって急激な池の水質変化が生じ、鯉に悪影響を及ぼします。土砂などが流れ込むような状態の池は最悪となるでしょう。プランクトンの死骸や藻や水草の腐敗物が池底に沈んで、一見、水は澄んで透明度を増して見えますが、これは死水と言われる危険な状態です。 池底に沈んだ汚物や死骸は比重の重い雨水の流入によって押し上げられ、池が全層汚水と化してしま