見出し画像

梅雨の季節-6月の魚病対策-

六月に入りますと、長くうっとうしい梅雨の季節がやってまいります。雨の中での池の管理は大変で、どうしても怠りがちになってしまいます。

大量の降雨によって急激な池の水質変化が生じ、鯉に悪影響を及ぼします。土砂などが流れ込むような状態の池は最悪となるでしょう。プランクトンの死骸や藻や水草の腐敗物が池底に沈んで、一見、水は澄んで透明度を増して見えますが、これは死水と言われる危険な状態です。

池底に沈んだ汚物や死骸は比重の重い雨水の流入によって押し上げられ、池が全層汚水と化してしまうこともあります。当然、水中の溶存酸素は減少し、マイナス因子の増加により鯉に悪影響を及ぼしポロポロ死んでいくようになります。

こうした水質の変化、管理の怠りに乗じて生じてくるのが、フレキシバクターカラムナリス菌による鯉腐れ病です。体表面に症状が見られる疾患の場合は早期に気付いて処置できるのですが、鯉腐れ病の場合は変化がなくても発病しますので、気付くのが遅れ、手遅れになってしまうことが少なくありません。

この疾患は条件性の強い病気ですので
予防が一番大切なポイントになります。

まず、①急激な水質の変化を起こさせないこと。次に、②水質を汚水にならぬようよく管理すること。この二点でまずは大丈夫なのですが、更に、③水温が20℃以上になる頃に注意すること。以上の三点があげられます。3月にも述べた定期投薬を行うことでも予防できることがわかります。

運悪く鯉腐れ病に罹患しますと、まず、普段よりも少し元気がなくなって群れから離れるようになります。更に水面近くを浮遊しがちとなり、滝口によってじっとしているといったような行動がみられます。

エルバージュによる長時間薬浴と強力なエアレーション、または酸素補給が必要になります。濃度は効能書きの通りで結構です。当然、水温や水質は変化しないように注意します。麻酔は禁忌と考えます。麻酔は呼吸抑制を生じ、酸素不足を更に増悪させ、鯉の状態を悪化させるからです。

※画像はイメージです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?